死せるクトゥルー《カクヨム》にて夢見るままに待ちいたり

クトゥルフ神話を題材にした小説は数えきれないほどにあれども、これほどまでに重厚な小説を私は呼んだことがありません。
これは2298年、地球が"滅び"に見舞われた後の話ということもあって、各国の状況は大幅に変化していますが、紛うことなき人類の戦いの記録です。
人類に襲いかかる不条理なる神――……
三つの頭を持ち、下半身から十字架の生えた異形の天使。
艦隊を観察する蟲。蟲。蟲。
黙示録の竜。
絶望し、諦観し、それでもなお、生き残るために"滅び"に立ちむかう人類!!
まさに混沌、不条理。それでいて、その基礎にある設定は入念な情報収集をもとに緻密に組みあげられたものです。言語学、地理学、神話から軍事知識等々、読み進めるほどに著者様の膨大なる知識量に圧倒されます。
あまりにも奥が深すぎて、私にはこの小説について語りつくすことは到底できません。息をのむような読書体験を、ぜひともあなたに経験していただきたいとおもいます。


最後になりましたが、……私はこちらの小説の著者さまを、令和日本のハワード・フィリップス・ラヴクラフトと御呼びしたいです。

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