エンジニアの私が異世界に転生してしまった件について、ぜひ君の意見を聞かせてくれないだろうか

村に住む少年ナットは最愛の母を亡くす。その後に父も失踪した。
ナット少年はいつしか、前世の記憶を思い出していた。
その前世は、理論的な思考をする技術者だった。

まず、その静謐かつ、正確な筆致に打ちのめされました。
するすると読めて物語の世界にどっぷりと入ってしまう。
前世の記憶を思い出したナット少年は、非常に理知的です。いったいどんな人間だったのか？　興味が引かれ始めたところで、少年に転機が訪れます。

そこで、彼の前世がどのような人生で、どのように生き、どんな存在が寄り添っていたかが明かされていきます。そして、その存在は、今世でも頼りになる相棒として共にいてくれるのです。

非常に達観し…続きを読む

エンジニアの主人公が転生先で持ち前のエンジニア魂で問題を解決しよとするお話。
これだけでも面白そうではあるのだけれど、淡々とした大人な技術者が熱い思いを秘めて幼馴染の少女を助けたいと奮闘する姿は胸を打たれるものがありました。
理性的すぎるゆえに子供として生きることに戸惑いつつ、時として感情的に熱くなってしまう事がありながらも、自分と歳の違わない幼い少女の思いを慮るどこまでも大人な少年の物語。
そのうち続きを書いてくれることを期待して待ちたいなと思いました。