うしろむきに全力疾走

 スタートとゴールを意図的に混同したような作品で、非常に楽しめた。

 凡庸な庶民の主人公が、せっかく手に入れた力をヒーヒー言いながらもて余すくせにみみっちい釣銭には本気で怒る。どこまでも現実的であると同時に、読んでいてなにか異質なパラレルワールドに迷い込んだような気分にもなった。

 作者の文章力に酔っ払ってヒーッ!

 必読本作。

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