私メリーさん。今格上を倒しているの。

「ん…ふぁ…ぁぁあ〜……ふ〜……」


んー……おはようございます……。


昨日は久しぶりに頭を働かせてかなり疲れたので、ちょっとダルいですね。

こういう日は休むに限ります。何処か、お出かけでも……。


今日は平日ですし、友達は皆学校か仕事ですね。

1人でどこかに行きましょう。

本屋…はダメですね。頭が疲れてるのに更に疲れさせてしまっては本末転倒です。

何も考えずに遊べるところ……ですか……。





……

どうして……


「どうして私はここDDOにいるんだ……?」


イラストレーターが仕事イラストの息抜きに別のイラストを描くという事が良くありますが、今の私は完全にその状況ですね。

DDOで疲れたのでDDOをやる……それこそ本末転倒じゃないですか……。


でも、これ以外にやることも無いですしね……

他にやることを考えた時に出てくる仕事は長期休暇に入りましたし……。


まあいいでしょう。この際、レベル上げをしまくりましょう。


そうですね、一日あれば40レベくらいまでは行けそうです。事実、40以降が厳しいらしいですしね。

今のところ、43レベより上の敵が見つかっていないくせに40レベから上の必要経験値量が桁違いみたいなので、格上狩りが出来ないのもあって辛いらしく…。


逆に言えば、40レベまでの必要経験値量は少なく、格上狩りが出来るので「40レベまではチュートリアル」とか言われてるみたいですし。




ということで、レベル25の狩場、山の麓にやって来ました。

現在のレベルは12なので少し厳しいですが〜……

これを倒せば一気に17くらいまでは行くでしょう。やるしかない。

では……やりますか……





……ということで、レベル40になりました。

スキルも色々取りました。

まあその辺は良いでしょう。


問題点は…


「……なに……こいつ……」


予想以上の敵と、出会ってしまったことでしょうか。



遡ること10分ほど前のことです。

私はレベル35の狩場に飽きたので、レベル40の狩場に移動していた時のことでした。

山道から少し逸れた場所に攻略班の探索が甘い場所があった為、そっちに行ってみようと思い足を踏み入れました。


私は好奇心の塊です。事前情報無しに適当な場所に足を踏み入れてしまう愚かな女です。

えぇ、認めましょう。確かに認めます……ですが……!


そこに穴があったら……入るでしょう……!?!?


洞窟を見つけたので入った……いや、入ってしまったんです……!!!

それはダンジョンでした……。まあ、そこまでは予想内です。ここはレベル35と40の間の狩場で、分かりづらい場所にあります。正直、レベル50が来ても何とかなるとは思ってましたし、実際来ると思っていました。


でまあ、実際にレベル50がうじゃうじゃと出てきたので全て切り刻んでやったので、レベルは潜る前の30レベから40まであがりました。20レベル差もあるとはいえ、思ってたより上がりましたね。


ですが……


「ひうぅ……」


レベル……80の……大蛇が……。

にらんできます…。


レベル40差…おかしい…私レベル10でしたっけ…?運悪くレベル10の頃にレベル50の敵に出会った……みたいな状況でしたっけ……?


……いや、それならまだ何とかなるでしょう。少なくとも、しっかり事前情報を読み漁っていれば知ってる技を使ってくる訳ですし。

ですが……これはいかんでしょう……。

逃げなきゃ……逃げなきゃだめです……っ!




「……でも、逃げれるとは思わないかなぁ……あはは……」

レベルの都合上、十中八九相手のスピードのが速い。

それにあの巨体です。もし洞窟の外まで逃げ切れたとしても、入口を破壊して出てくるでしょうね……。


「……あー!考えても仕方がない!今日は休もうと思ってたんですけどね!新スキルのお披露目がてら、やってみましょうか!」




……さて。

相手にはバレているので奇襲は出来ません。

見られているので魔法は詠唱中に殴られるでしょう……。


前の私ならね!!!!


「……」


……ブォン!……ドン!!!!

……ゴォォォォォォ!!!


『GYYYAAAAAOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


ふはははは!これが無詠唱の力です!!!!

レベルMAXまで上げた無詠唱は強いでしょう!?おかげでポイントが170ほど消滅しましたよ!まったく!!


いや、この強さを170で買えたのは上々ですね。

普通なら300取られててもおかしくはありません。


そして!いつもの魔法攻撃ではレベル40差を埋めれる程の火力は出せません……が!


『エイボンの闇炎球』を獲得しました!!


どうやらクトゥルフ系の書物を持っていなくとも獲得出来る初心者向けなクトゥルフ系統のオリジナル魔法らしく、しっかりと圧倒的な破壊力を持つ魔法です!クトゥルフ神話ファンから怒られそうだ!!!


まあ残りのポイントをほぼ全て使用しての獲得だったんですけどね!!潜る前に取ったから残りポイント105だよ!くそーっ!!

正式リリース時に十中八九レベルキャップ解放されるだろうし、105ぽいんとじゃぜんぜんたりないよぉ…


まあそんな事はいいです!どれくらいダメージを受けましたかね?


……丁度1割……

いや、上出来でしょう。普通なら5ダメージすら与えられないでしょうし……。


……クールタイムは30秒……

……ちなみに今も攻撃され続けていますが、割と遅めなので避けきれています。

遅めと言っても、今までの敵と比べたら断然早いですけどね。ってかこいつネームドですね。名持ちならもう少し強そうですが……まさか……


……あぁ……理解しました。えぇ、しっかりと理解しましたよ。

こいつ、絶対舐めてかかってきてますね…

うわっ、火吐いてきたっ。


そりゃそうですよね。どデカいのが当たったと思ったら1割、それもクールタイムが長いやつです。

まだあと15秒もかかりますよ。普通に生きていたら30秒なんて一瞬なのに、こういう1秒1秒が大切な時って30秒が30分に感じますよね。えぇ、何故でしょうかね。


そんなこんな言っているうちに2発目発射です。


まだうるさい咆哮と蒸し暑い火を……いや、どうやって咆哮してるんでしょうか?火を吐いているのに咆哮って、器用どころじゃないですよそれ。生命の神秘ですね。


おっと、これはジャンプして……ッ!『フロート』!

……ととっ!……しっぽが来てましたね。危なかった。この前のキマイラモドキのときに同じことされましたからね。同じ手は喰らいませんよ。


3発目です。


この蛇、ちょっとイライラしてきてますね。攻撃が早くなってきました。まだまだ避けられますが、限界がわからないので余裕とは言ってはいけませんね……。

しかし、イライラしてしまうと動きが大雑把になりますよ。


4発目。


さすがに危機感を感じてきたのか、少し引いてますね。

ですが悪手です。貴方がそうしている立ち止まっている間にも私はクールタイムは進んでいます。

お、察したのか突撃してきましたね……っておぉ!?

……あ、あぶなかった!一瞬回線が落ちたのかの様に止まられたので判断が鈍りました!余裕を持って回避していたら絶対に死んでましたね。

ってか一瞬止まるとかどうやってるんですか?意味分かりませんよ……。


5発目……。



6発……


7発……

8…………

9………………




「……あと、1発ですね。」


『GYAOOO!!!』


「貴方はネームドの70レベルだったみたいですが、私の方が強かったみたいです。ここまで来たら、経験値を頂戴しますよ……」


『…GYY……AA……』


「………安らかに。」


……10発目。




……ブォン!……ドン!!!!

ゴォォォォ!!!!!!!!



ーボスモンスターを撃破しましたー

ー名持ちの魔物を撃破しましたー

ージャイアントキラーの称号を獲得しましたー

ーダンジョンをクリアしましたー

ーレベルが上がりましたー



……切り忘れたシステム音声が鳴り響き、大蛇の死亡を確認する。



「……咆哮せずに……逝きましたか……。」


……レベルは……50……。

上限…行きましたね……。


「……強者との別れは、やはり辛いものですね。

名持ちの魔物は一般のモンスターよりも強化されていて、経験値量が多く、かなり強い代わりに、同じネームドがリポップすることは極めて少ないはずですし……もう会うことはないでしょうね。」

あのモンスターはボスモンスターだったらしいですしね。尚更リポップしない……。



……



……あぁ……



もっと戦いたかった……ッッッ!!!






───────────────────────

【あとがき】

私戦闘狂のメリーさん。レベル差40程度じゃ満足しないの。

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