私メリーさん。今無心なの。

一体何時間経ったのだろう。

プレイヤーを倒し、倒し、倒しまくっている。

ひたすらに。ただひたすらに。


能力も、容姿も、職業も、何も見ず。

ひたすらに切り刻んでいる。



「……やっぱり、そうなるよねぇ。」


正直分かってはいた。

それでも、辛いものは辛いのだ。


「……作業……。」


サーチ&デストロイ、サーチ&デストロイ、サーチ&デストロイ、サーチ&デストロイ、サーチ&デストロイ、サーチ&デストロイ、サーチ&デストロイ………………


「んがあああああああああぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁあッッッッッッ!!!!!!!!!」


もうやだー!!!!!!

何時間どころじゃないよ!!!!!!もう10時間!!!!!ずっと敵を倒してるんだよ〜っ!!!!!!!!!!!!


「スキル縛りから視覚縛りまで、全部やり飽きたよ!!!!!」


なんで私が他のFPSゲームで上手いかわかるか!?

それは並々ならぬ努力があるからなんだ!!!!

何千時間、何万時間と練習してきたんだ!!!!


では、なぜそんなに練習できたと思う!!!!


それはVCボイスチャットで色んなお友達とお話しながら出来たからなんだ!!!!

そりゃお友達とVCを繋げずに24時間ぶっ通しした事もあったよ!!!!

でもね!!!!ちがうの!!!!!!

それは大会を控えてたから猛練習してただけなの!!!!



でも!!!!これは!!!!大会じゃないんだ!!!!


だから!!今は!!ただの!!苦行……なん…だ……よ……



あ……



「……ヘルパー召喚……。」


「呼んだ?」



……



忘れてた……。



「……口裂け女さんんん……。」


「ん?どうしたの?」



「むねかしてぇ………」

「っちょ!?大丈夫!?」








「……なるほどねぇ……いや、ほんとにお疲れ様……。」


「10時間程度だったら大丈夫だと思ってたんですけどね……。」


「程度って…いや、前までは大丈夫だった……って事なのね………。…私は医者とかじゃないし、そもそもNPCだからどうこう言えないけれども……」


「……はい。」


「…多分だけど、あなたは自分の精神状況に気付いていないのよ。」


……?


「心のほうがかなり削られているの。最近嫌なこととか重大なこととかでもあったんでしょう?」


「……はい。」


「あなたは1度休んだ方がいいわ。このイベントが終わってからでもいい、とにかく休みなさい。」


「……そうですね……そうします。」


……たしかに、あの倒れた日以降はほとんど休んでいない。いや、実際には1週間休んだけど……それでも『引っかかり』は取れていなかった。


「…ん…?それって禁止じゃ……ああ、そう。わかったわ…」


「……ん?どうされました?」



「……─────っあーあー、メリーの嬢ちゃん、聞こえとるか?」


「……えっ?」


ん?は??えぇ?

この口調……システム担当さん……?


「久しぶりやな〜!って言ってもまだ1月経ったくらいか?」


「え?あぁ……はい……?」


「なんや…そんな警戒せんでもええやろ…おっちゃん泣いちゃう〜…」


うわっ……。

「は……ははは……」


「なんやドン引きやな?ワイ的に苦笑いが1番辛いねんて。辞めてくれや……ってちゃうわ、そんな話をしに来た訳ちゃうねん。」


「えっと、どうされましたか?」


ほんとにどうしたんだろう。違反行為でもしちゃった……?


「いやぁ、休日貰ったからせっかくやしヘルパーのソースコードとかログとか見直ししててん。そしたらこの口先八丁女が変な事口走ってたからちょっと見ててんけど、人生相談みたいなん始まったから『こりゃワイもいかな!』おもて上のザコに許可もらって話に来てん。」


ツッコミ所多すぎて頭が追いつかない。

休日にやってる事じゃないし、口裂け女さんの呼び方おかしいし、わざわざ運営側が「私もいこう!」ってなるのもおかしいし、上司を「上のザコ」って言ってるのもやばいし……。


え、何この人??????


「まあ……うん……はい……?」


「混乱しとるな〜!まあええわ!おっちゃんは世話焼きやからな!運営やけど色んな人のヘルパーに顔出しとるんよ!」


「口裂け女さんにそれ禁止って言われてませんでした?」


「大丈夫や、3割は許可もらっとる!」


「ダメじゃないですか!」



「……まあそれは置いといてやな。ワイが言うのもなんやけど、ホンマに休みや。マジで病んで死ぬからな。ワイの周りは皆それで死んだんや。嬢ちゃんはワイからみたら丁度娘くらいの年齢なんや。そんな子が死ぬのは見たくない……。それに、この前の仕事で渡した連絡用のアドレス、悩み送ってくれてもええんやで。あの声優2人も言ってたから、な。どんな些細なことでもええから相談してくれ。

…ま、厄介なお世話かもしれんがな。」


「……いえ、ありがとうございます。」


……なんか、気が楽になった。

急に来て、急にボケて、急に色々話してきて……。

正直あの話題からここまでが唐突すぎてまだ混乱してるけど、いろいろスッキリした。


私は何も話してないけど、全部察してくれて……。

ありがたいなぁ……。


「あ、そういえば今日の部はあと2時間で終わるからな。今日ぶっ続けでやってたんやろ?ゆっくり休めよ。」



「え、そうだったんですか!?」


……普通にリアル時間24時間ぶっ続けかと思っちゃってた……。





【あとがき】

作者の意思を一切入れずに書いたので見づらいですね……申し訳ない……。

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