失った記憶の渇きを潤すべく非合法闘技場で闘う青年は己の宿命に翻弄される

「オイオイオイ」「刃牙好きだわ作者」「ほう……WEB小説で格闘漫画ですか。たいしたものですね」

ということで、お約束のテンプレでしたが結構序盤から人外と闘うハメになる主人公アキ。
そう、この小説は某地上最強の生物ではなく本物の「鬼」と闘う格闘小説……というよりも現代ファンタジーです。

いつの間にか間合いが詰められ、終わったと思われた必死の攻撃が紙一重で本能的に回避され、超絶的な剣技の太刀筋が突然襲い掛かり……そんな戦闘描写が文章なのに「見える」、命のやり取りの刹那に起こっている状況が丁寧に細微に、スピード感と臨場感を損なうことなく描かれている、「武侠」と銘打たれた小説。

個人的には会話に含まれた殺気や怒気の表現、一触即発の、正に某格闘漫画で『ぐにゃあ……』と周囲の景色が歪む緊張感が特に好きです。

『強くなりたくば読め!!!』キャオラァッ!!




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