「オイオイオイ」「刃牙好きだわ作者」「ほう……WEB小説で格闘漫画ですか。たいしたものですね」
ということで、お約束のテンプレでしたが結構序盤から人外と闘うハメになる主人公アキ。
そう、この小説は某地上最強の生物ではなく本物の「鬼」と闘う格闘小説……というよりも現代ファンタジーです。
いつの間にか間合いが詰められ、終わったと思われた必死の攻撃が紙一重で本能的に回避され、超絶的な剣技の太刀筋が突然襲い掛かり……そんな戦闘描写が文章なのに「見える」、命のやり取りの刹那に起こっている状況が丁寧に細微に、スピード感と臨場感を損なうことなく描かれている、「武侠」と銘打たれた小説。
個人的には会話に含まれた殺気や怒気の表現、一触即発の、正に某格闘漫画で『ぐにゃあ……』と周囲の景色が歪む緊張感が特に好きです。
『強くなりたくば読め!!!』キャオラァッ!!
武術・格闘技をメインに据えた作品が少ない気がするのですが、何故なんでしょう。ひょっとして剣と魔法が出ないとツマラナイと思われていたり?
だったらご心配なく!この作品には剣も魔法もちゃんと出てきます!武術とか格闘技とかよく分かんないなんて初心者さんでも抵抗なく楽しめること間違い無しです。
もちろん、格闘漫画や小説が大好きな玄人志向の方も、細部まで練られた作中独自の武術の技や理論体系に充分満足することができると思います。
なによりも、メインキャラから脇役、モブに至るまで全員キャラが立ちまくってるんです!キャラ同士の掛け合い、すなわち人間ドラマの部分でも大いに楽しむことができるでしょう。
本当に、どこかでコミカライズしてほしいですね。アニメ化してもらっても良いです。待ってます。