文章に込められた日本語の美しさと怖さ、作者の高い人間性に驚きました。

>ときどき小窓から見えるRの手は、お豆腐がそのまま手の形を帯びたように、色白で、崩れそうに見える。いつも、なんとかRの手に触れないようにと、注意を払いながら僕は鍵を渡していた。

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この3行の文章に込められた日本語の美しさと怖さ、作者の高い人間性に驚きました。
よくあるポスト3.11と言われるメタファー化された震災ではなく、そのものをテーマにした作品を語るには、わたしのような当時関西にいてテレビでその姿をみた存在には、おこがましさを感じます。

しかし、経験していないわたしも、この作品を読んだいま目を瞑れば情景が浮かぶ。そんな質の高い写実性と、リアリティなだけに留まらない文学性を感じました。

星3つしか、わたしがこの作品に与えることができないのが、とても理不尽だと思うほどに、心から感動しました。

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