美しい言葉で彩られた和風ファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
『一変して、歓喜に潤む常磐ときわ色の瞳。
肩口にうずめられる顔を、熱い抱擁を、拒否などできるはずもなかった。』
この一節見てください!
すごく惚れ惚れする一節。
甘美なシナリオを、鮮やかに描いた作品です。
主人公は御刀さま、鼓御前。
付喪神として美しき少女の姿として登場します。
しかし、有事の際にはその磨き抜かれた刀身でもって、あやかしや怨霊おんりょうのたぐいとされる〝慰〟を斬ります。
タイトルに『花婿たち」とあるように、主人公を取り巻く男たちが登場します。そのなかでも、青葉時雨は同じく刀の付喪神だった存在で、鼓御前の弟にあたる人物です。
青葉時雨の刀はすでに折れてしまい、そのことから転生の末、人間として生まれ変わったという存在で、言動は多少荒いけれど、姉である堤御前のことが大好きな男の子です。
青葉時雨との口吸いにはどきどきさせられました。
ぜひ、この素敵な和風ロマンスを味わってみてください。
おすすめです!