中高年なら懐かしい子供のころの原風景がここに

子供のころに身近にあった自然、今は記憶の向こうに流れてしまったものが戻ってきました。
神秘的というよりも身近な森、川にはヤゴとかヤゴとか魚とかが住んでて、時間を忘れて遊んだ記憶。

大人になって、サラリーマンになって、コンクリートだらけの街で暮らすようになって。
特別な場所に行かなくてもそこらじゅうにあった自然の思い出。

この武蔵野の物語をよんで、不意にそんなことを思い出しました。
いつのまにかずいぶんと大きくなっていたのかな、なんて。

楽しい筆致で描かれる、当たり前で美しい自然の光景。

感情を静かに揺り動かしてゆく素晴らしい短編でした。

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