エイサ

気難しいが内気でもある幼稚園児、なずな。
いつもひとりぼっち。実はさびしいが、自分から周囲に声を掛けたり甘えたりはできないため、“自分はみんなからの嫌われものだ。でも寂しくなんかない” と勝手に思い込み、強がり、自ら殻に閉じこもってしまっている。まりな先生という新米の担任に可愛がられ、そんな親切な先生を独り占めしたくなったなずな。彼女は、いつも一緒にいてくれる上に自分の思い通りにもなってくれる、“先生によく似た女の子の絵”を描くように。冬休みの始まる十日前の朝、冬の奇跡としてなずなの強い願望が叶えられたのか、絵の女の子が“エイサ”という名の現実の女の子として、なずなの幼稚園に転入してくる。
エイサとなずなの仲が深まり“ふたりだけの世界”が広がれば広がるほど、より離れていく周囲の子供達との距離…続きを読む