ワインへの愛情と造詣の深さが溢れ出るエッセイ

日本を飛び出して世界の色々な国でワイン造りに携わった筆者の体験記ですが、まるで青春小説を読むような清々しい読後感が残りました。ひとつひとつのエピソードには沢山の苦労が詰まっていますが、それをユーモアで包み、読者を飽きさせません。国によって異なる風土や文化、人々の様子も垣間見られて、一緒にワイン造りを体験させてもらうような心地です。そこにはワインに対する愛情と造詣の深さが溢れ出ています。
冒頭で紹介されるワインの説明、料理の組み合わせも面白く、ワインに対する固定観念を取り払ってくれることでしょう。
どんな環境に置かれても順応し、逞しく乗り越えるバイタリティに感服します。ワインにかかわらず、物事への視野を広げてくれる素晴らしいエッセイです。

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