聖書を牙で裂く

作者 南雲 燦

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★★★ Excellent!!!

神、というのは気高い存在です。
…なんか新興宗教の謳い文句みたいになりましたが、私が言いたいのはそういうことではありません。
『神』という存在は、謂わば太古からの信仰の対象。善悪・大小・優劣の差はあれ、人々の中に『自身とはかけ離れた高潔なもの』として根付いた概念です。
故に、神という主題は小説の中でも多く取り扱われます。『神』を名乗らせるだけで一定の威圧感が出ますし、それを逆手にとってギャップを狙いに行くのも定番といえば定番です。どこにでも生まれ、誰もが知る存在ですから、その絶対感や存在感の大きさを説明する必要もない。
つまるところ、『神』というのは小説の中では便利な存在なわけです。小説を盛り上げるツールとして便利だからこそ、頻繁に使われる概念なわけです。

長々しくご高説垂らして何様だテメェ、と思ったそこの貴方。その通りでございます早速本題入りますごめんなさい。
最初にこの作品を読んで私が衝撃を受けたのは、そこでした。
『神』が、そこに居ました。「便利だから」と使われる存在ではない、本物の神々しさを持つ存在。
それが為され得たのは、作者である南雲様の繰り出す洗練された語彙と孤高のセンスがあったからこそです。
難しいながらも、神話の原本を感じさせる語り口。神への信仰が今より深かった時代の、劇や書からの言葉の引用。『神』を活かしきる世界観を作り上げた、南雲様の力量。キャラをブレさせない軸の作り方に、各キャラにはまるエゴの持たせ方。
何もかもが一級品。こうした作家としての技術もさることながら、ストーリーについても文句のつけどころがない。
読者とヒロインに善悪というものを考えさせる、倫理的命題を孕んだ世界。その世界の「限界」を示唆する不穏な文言の滑り込ませ方も、また堪らんのです。控えめに言って最高、というやつでした。

とはいえ、ここでいくら言葉を尽くしても作品の素晴らしさの半… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

流行りとか関係なしに、一読すべき作品だと思う。
キャラもいいし、独特の世界観がすごい。内容も考えさせられるし、普通におもろい。
チートとか転生とかが多いけど、テンプレから外れたこういう作品を、引き続き頑張って書いてってほしい。
単語は確かに時々難しいけど、バカな俺でも全然読めるし意味も伝わるから余裕で読める。

★★ Very Good!!

私にとって神の話というのは突拍子も無くて訳わからない事をするのが面白いと思っているので、この作品はちょっと人間的すぎて合わないかなと思いました。

聖書にもあるように、神というのは絶大な力を持っている割に気まぐれで、残虐で、人間を殺しまくるような連中です。(聖書でも悪魔より神の方が人間殺してますよね)

なので、神々の生活が人間的だと言うのがどうにもしっくりこないんです。

自分の一部から子供を作ったり、娘と結婚するとか人間の常識ではありえないことをやるのが神様なので、そう言う描写がもっとあれば面白いんじゃないかなと思いました。

★★★ Excellent!!!

思えばシーナの元ネタにあたる奇稲田姫はゼドと同じ八岐大蛇(じゃしん)の類に攫われていたので束の間の憩いも、いずれ来る波乱を予感させられます。

瀟洒な禍津サマに和服の似合う色男を幻視したり、少しだけフェンリルが情緒不安定なのは酒のせいだろうか?と想像出来たりとキャラクターも神霊の類でありながら程よく人間臭いのも良いですね
迂遠な語彙も意味やフィーリングを噛み砕く事が出来るのであれば楽しめるかと。
それと、難しい言葉に免疫のない10代の方は辞書か広辞苑を片手に読むと形容や比喩が味わい深くなると思います

★★★ Excellent!!!

一度読んでみて損はないはず。
WEB小説が好きな人はストーリーに、純文学や文芸が好きな人は文章に魅力を感じると思う。
表現力が素晴らしく、ダークファンタジーの世界観にどんどん、ひきこまれてしまう。難しい単語は多いものの、意味を理解しながら読んでも、すっ飛ばして読んでも、頭の中にすっと入っていく文章力は、並々ならない!
まだ序盤だが、今後の展開に期待がもてる。