ダークファンタジー好きなら読め!  驚異の執筆力で描かれた神秘的な世界

web小説民、厨二病者よ。純文学のタグに恐れるな。これはダークファンタジーの金字塔だ。

 僕はTwitterでこの作品に出会い、この作品の為にカクヨムに登録した。それくらい、芸術的な作品だったからだ。
 作者が描き出す世界は、唯一無二。善悪、倫理、等々の風刺を含ませながら、しつこくなく、恐らく物語を楽しませながら読者に考えさせることを前提とした圧倒的執筆力に、僕は感嘆せざるを得なかった。

 緻密な描写は、美しくも残酷な世界を創り出し、登場人物の心の機微を丁寧に紡いでいる。詩のように美しく、歌のようにリズムを取っている文章は、非常に読み易い。読ませてくる、そんな文章だ。物語の展開も早く、飽きることがない。
 単語も難しいようで、きちんと意味を持って使われているところに、僕は好感を感じた。この作者は理系学生のようだが、尋ねてみると、きちんと一つ一つ意味を調べながら書いているらしい。造語もあるようだが、この世界特有の物事を示すのに、非常に効果的だと感じた。見習いたいところだ。

 散らばされた伏線は、読者を巻き込んで、想像を膨らませる。現時点では、インフェルノという土地での出来事をメインに描いているようだが、この世界が頭の中にあり、更に多くの伏線を入れ込みながら、ほぼ書き溜めせずに執筆する作者の、頭の中がどうなっているのか。僕は気になって仕方がない。

まだ多くの謎が散りばめられた状態の作品だが、この作品をこれから先も見守っていこうと思う。

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