第13話 エヘッ! 13

「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」

 少女は健気に茶店の看板娘をやっている。

「私の名前はおみっちゃん! 私の夢は江戸で歌姫になることです! エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊の物語である。


「俺の名前は竜王バハムート! 俺は魔王になるのだ!」

 バハムートは魔王になりたかった。

「そのためには現職の魔王を倒さなければいけない!」  

 現在の魔王はおみっちゃん。

「なんでこんな女の子が魔王になっているんだ!?」

 おみっちゃんは可愛いエヘ幽霊。

「楽勝だ! 直ぐに人間界に行って魔王を倒してやる!」

 おみっちゃんは人間界の茶店にいます。

「待っていろ! 魔王! ワッハッハー!」

 バハムートは茶店に向けて飛び立った。


「おみっちゃん、お客さんだよ。」

 女将さんがおみっちゃんを呼ぶ。

「は~い。誰ですか?」

 やって来るおみっちゃん。

「見つけたぞ! 魔王! 俺は竜王バハムート! おまえを倒して俺が魔王になる!」

 現れたのはバハムートでした。

「しょうがありませんね。少し遊んであげますか。表に出ろ。」

 おみっちゃんは茶店の外に出る。

「サボった分は給料から引くからね。」

 守銭奴な女将さん。

「そんな!?」

 悲しむおみっちゃん。


「死ね! 魔王! ドラゴン・ファイア!」

 バハムートは口から火を吐く。

「ギャアアアアアアー!」

 おみっちゃんはやられた。

「これで俺が今日から魔王だ!ワッハッハー!」

 喜ぶバハムート。

「それはどうかな? エヘッ!」

 やられたはずのエヘ幽霊が現れる。

「何!? 確かに倒したはず!? なぜ生きている!?」

 驚くバハムート。

「いいえ。私は既に死んでいる。実は私は幽霊なのです! エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。

「幽霊だと!? そんなことがあるのか!?」

 驚くバハムート。

「私が魔王と知っていて戦いを挑んでくるとは愚かな。おまえから邪気を奪い取ってやろう!」

 おみっちゃんは歌を歌う気である。

「1番! おみっちゃん歌います! 曲は竜の三枚おろし! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でゴットボイスの持ち主であった。

「ウワアアアアアー!? 体から邪気が取り除かれる!?」

 バハムートはおみっちゃんの歌を聞いて苦しむ。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 更におみっちゃんは気持ち良く歌を歌い続ける。

「ドラゴン最強の俺が負けるのか!? ギャアアアアアアー!?」

 バハムートの体から魔界の邪気が取り除かれた。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 大好きな歌を歌い終えてご満悦のエヘ幽霊。

「ここはどこ? 私はだあれ?」

 バハムートは良い子になった。

「バハ。お茶とお団子を食べたくない?」

 おみっちゃんの悪魔の囁き。

「食べたい!」

 バハムートは餌に食いついた。

「じゃあ、一緒に茶店に行きましょうね。エヘッ!」

 茶店のアルバイトを掴めたエヘ幽霊であった。

 つづく。


「私の名前は大天使ミカエル! 私は神になるのだ!」

 ミカエルは魔王になりたかった。

「そのためには現職の神を倒さなければいけない!」  

 現在の神はおみっちゃん。

「なんでこんな女の子が神になっているんだ!?」

 おみっちゃんは可愛いエヘ幽霊。

「楽勝だ! 直ぐに人間界に行って神を倒してやる!」

 おみっちゃんは人間界の茶店にいます。

「待っていろ! 神! ワッハッハー!」

 ミカエルは茶店に向けて飛び立った。


「おみっちゃん、お客さんだよ。」

 女将さんがおみっちゃんを呼ぶ。

「は~い。誰ですか?」

 やって来るおみっちゃん。

「見つけたぞ! 邪神! 私は天使のミカエルだ! おまえを倒して私がかみになる!」

 現れたのはミカエルでした。

「しょうがありませんね。少し遊んであげますか。表に出ろ。」

 おみっちゃんは茶店の外に出る。

「サボった分は給料から引くからね。」

 守銭奴な女将さん。

「そんな!?」

 悲しむおみっちゃん。


「死ね! 邪神! ミカエル・ホーリー!」

 ミカエルは聖なる光を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 おみっちゃんはやられた。

「これで私が今日から神だ!ワッハッハー!」

 喜ぶミカエル。

「それはどうかな? エヘッ!」

 やられたはずのエヘ幽霊が現れる。

「何!? 確かに倒したはず!? なぜ生きている!?」

 驚くミカエル。

「いいえ。私は既に死んでいる。実は私は幽霊なのです! エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。

「幽霊だと!? そんなことがあるのか!?」

 驚くミカエル。

「私が邪神と知っていて戦いを挑んでくるとは愚かな。おまえから邪気を奪い取ってやろう!」

 おみっちゃんは歌を歌う気である。

「1番! おみっちゃん歌います! 曲は天使の三枚おろし! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でゴットボイスの持ち主であった。

「ウワアアアアアー!? 体から邪気が取り除かれる!?」

 ミカエルはおみっちゃんの歌を聞いて苦しむ。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 更におみっちゃんは気持ち良く歌を歌い続ける。

「天使最強の私が負けるのか!? ギャアアアアアアー!?」

 ミカエルの体から天界の邪気が取り除かれた。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 大好きな歌を歌い終えてご満悦のエヘ幽霊。

「ここはどこ? 私はだあれ?」

 ミカエルは良い子になった。

「ミカ。お茶とお団子を食べたくない?」

 おみっちゃんの悪魔の囁き。

「食べたい!」

 ミカエルは餌に食いついた。

「じゃあ、一緒に茶店に行きましょうね。エヘッ!」

 茶店のアルバイトを捕まえたエヘ幽霊であった。

 つづく。


 おまけ。

「これだけではいけないのだろうか?」

 それだけが悩みである。割り切ると1話1000字の物語を100話投稿すれば1000字に到達。

「これに何を足せばいい?」

 プチストーリー。バハムートならバハムートの前置き。ミカエルならミカエルの前置きか?

「前置きを足しても5セリフ10行が増えるだけ。」

 誰にでも分かりやすく一般大衆ウケしやすいというのでは良いのだろう。それぞれに手直しを加えよう。

「手直し完了。」

 これの繰り返しで良ければ楽勝である。正にドラえもん、アンパンマン、仮面ライダー、ウルトラマン、水戸黄門、ドクターX、北斗の拳、ドラゴンボール、ワンピース、コナン、どんな物語も同じことの繰り返しである。

「これだけ列挙してみると、物語の限界を感じる。」

 設定を変えただけで内容は同じなのだから。新しい秘密道具、アンパンチ、ライダーキック、スペシュウム光線、印籠、私失敗しないので、おまえはもう死んでいる。結局、戦い。島を変えてやることは一緒。眠りの小五郎。

「形が違うだけで同じことの繰り返しである。」

 う~ん。それが間違い・・・・・・ではなく、それがその作品ということなのだろう。

「茶店の歌姫は永遠に続けられるな。エヘッ!」

 余裕のエヘ幽霊。


「きっとこういうことに疲れて、ゴット・カードでも書き始めたのだろう。」

 一から物語を作るという作業。息抜きにゴット・カードでも呼んでこよう。


「これにストーリーをつけてみよう。」

 寝て起きて意見が変わる。

「とりあえず、やってみよう! おお!」

 まずはドラゴンボール風。

「願い事が叶うドラゴンボールを集める物語。」

 似たようなお話は山ほどありますね。


「おみっちゃん、この世の中のどこかに、どんな願い事も叶えてくれるお札があるんだって。そのお札の名前が夢札!」

 女将さんは新商品のドリーム・ビルを説明する。

「探しましょう! 夢札があれば私の夢が叶いますね! 私は歌姫になるんです! エヘッ!」

 夢を叶えるためには夢札が必要であった。

「お札を持った人間がやって来るよ。」

 女将さんの占いはよく当たる。

「お札を奪い取りましょう。エヘッ!」

 手ぐすねを引いて待っているエヘ幽霊。


「私の名前は三蔵法師! 私は偉い坊主になるのだ!」

 三蔵法師は偉い坊主になりたかった。

「そのためには妖怪を倒さなければいけない!」  

 妖怪はおみっちゃん。

「なんでこんな女の子が妖怪になっているんだ!?」

 おみっちゃんは可愛いエヘ幽霊。

「楽勝だ! 直ぐに茶店に行って妖怪を倒してやる!」

 おみっちゃんは人間界の茶店にいます。

「待っていろ! 妖怪! ワッハッハー!」

 三蔵法師は茶店に向けて飛び立った。


「おみっちゃん、お客さんだよ。」

 女将さんがおみっちゃんを呼ぶ。

「は~い。誰ですか?」

 やって来るおみっちゃん。

「見つけたぞ! 妖怪! 私は三蔵法師だ! おまえを倒して私がかみになる!」

 現れたのは三蔵法師でした。

「しょうがありませんね。少し遊んであげますか。表に出ろ。」

 おみっちゃんは茶店の外に出る。

「サボった分は給料から引くからね。」

 守銭奴な女将さん。

「そんな!?」

 悲しむおみっちゃん。


「死ね! 妖怪! 三蔵法師・念仏ビーム!」

 三蔵法師は念仏を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 おみっちゃんはやられた。

「これで私は偉い坊主だ!ワッハッハー!」

 喜ぶ三蔵法師。

「それはどうかな? エヘッ!」

 やられたはずのエヘ幽霊が現れる。

「何!? 確かに倒したはず!? なぜ生きている!?」

 驚く三蔵法師。

「いいえ。私は既に死んでいる。実は私は幽霊なのです! エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。

「幽霊だと!? そんなことがあるのか!?」

 驚く三蔵法師。

「私が妖怪と知っていて戦いを挑んでくるとは愚かな。おまえから邪気を奪い取ってやろう!」

 おみっちゃんは歌を歌う気である。

「1番! おみっちゃん歌います! 曲は坊主の三枚おろし! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でゴットボイスの持ち主であった。

「ウワアアアアアー!? 体から邪気が取り除かれる!?」

 三蔵法師はおみっちゃんの歌を聞いて苦しむ。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 更におみっちゃんは気持ち良く歌を歌い続ける。

「坊主最強の私が負けるのか!? ギャアアアアアアー!?」

 三蔵法師の体から天界の邪気が取り除かれた。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 大好きな歌を歌い終えてご満悦のエヘ幽霊。

「ここはどこ? 私はだあれ?」

 三蔵法師は良い子になった。

「三蔵。お茶とお団子を食べたくない?」

 おみっちゃんの悪魔の囁き。

「食べたい!」

 三蔵法師は餌に食いついた。

「じゃあ、一緒に茶店に行きましょうね。エヘッ!」

 茶店のアルバイトを捕まえたエヘ幽霊であった。

「そうだ。あなたの持っているお札を見せて。」

 おみっちゃんは三蔵法師のお札を見せてもらう。

「なんだ。ただのお札か。チッ。」

 なかなか夢が叶わないおみっちゃんであった。

 つづく。


 おまけ。

「できた。これで物語ができるから恐ろしい。」

 置き換え、最初と最後に少し足しただけ。

「しかも魔物と天使と人間バージョンができてしまった。」

 恐ろしや。

「この話をコピー貼り付けして置き換えると即10万字達成は確実だね。エヘッ!」

 もう先が見えた茶店の歌姫エヘ幽霊。

 つづく。

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