趣味でピアノを弾いていた明子。彼女の次の先生は、若い男性。感情が滅多に出ない彼は、しかし、聴くものの感情を揺さぶる、不思議な音色を奏でていた。やがて交流を重ね、関係を深めていく二人だったが……。読んでいて、私の感情も揺さぶられました。明子はきっと、その曲を弾くのでしょう。
同じあらすじを使って別々の作者さんが物語を書く企画「筆致は物語を超えるか」に参加されている作品です。 力作が揃う企画で、本作は「純度の高い恋物語」となっています。 まず読みやすさが素晴らしく、丁寧な筆致から物語に引き込まれることは間違いなし。 キャラクタももちろん魅力的で、文章に隙がない。そんな印象を受けました。 お題に対するストレートな回答は、この物語の「純粋さ」を如実に表していて、ラストの展開も相まって「あたたかい」物語に仕上がっていると思います。 そんな純粋な恋物語を、あなたもぜひご覧あれ!
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