3話 京極、留置所へ
パコン!
ギーー ガシャン
突き飛ばされて、留置室の扉を閉められた。
《 京極! ワル同士、仲良くしろよ! ここでまた
ちっ…
ん?
相部屋か?
同い年くらいのレゲエな
レゲエ女はアタシの顔を見上げて、
「あんた? 外人? どこん国? なにをして留置所に来た?」
アタシはドスんとアグラで座って、
「殺人。 国とか捨て子だからよく知らね、ハーフらしいけどな」
「あっそ」
レゲエ女は横になり、
「あ~ヒマ~、スマホ返して欲しいわ~ But its all スマホ♪ hey babyy♪ ああ、チェリー欲しい…」
パーカッションを叩く様な仕草で、リズムを刻みだす、そんなレゲエ女を見て、
「アタシは夜の公園のベンチで捨てられた時から、ずっと金無えからスマホなんて持った事ねえけどな? サクランボなんかより、タバコ吸いてえわ~ 腹も減った…肉まん食いてえ…」
その時、留置部屋の扉の向こうからサツの声が、
≪ デカいな? 190センチ140キロ? ≫
≪ ココだ。 かなりのワルが2名入ってるけど仲良くしろよ? ≫
≪ ういっす ≫
ギ――――
扉が開いた、デカいな?
黒の長袖、髪はチョンマゲ、顔はまんま細目のお相撲さん、こいつ女か?
そのデカ女はアタシの顔を見て、
「あの金パツが? 京極茜?」
後ろのサツ2人は、
「ああ」
「それがどうした? 仲良くしろよ」
直後! デカ女が! 右後ろのサツの顔面へ強烈な肘打ち!!
「ぶっ!!」
顔が潰れたサツは後ろに倒れた!
「
右のワンハンドで、もう1人のサツの首を掴み持ち上げたデカ女は、
「私はワザとパクられて美鈴お姉ちゃんのカタキを取りに来たんだよ…」
首を締めてる。
「しぬ…たす…け…て…きょう…ご…く」
締められロクに声を出せなくなったサツが涙目でアタシに助けを求めて見てやがる。
仕方ねえな…
「おいデブ? マトはアタシだろ? 弱いモノいじめすんじゃねえよ?」
デカ女をこっち向いて、
「殺された美鈴お姉ちゃんのカタキ…」
ポイっと気絶した?死んだ?サツを投げ捨てて、
アタシに突進して来る!
アタシは正当防衛を貰うために…
ドン!!
ぶちかましをワザと喰らった!!
ガン!!
壁に強く背中が当たる!! すげえ衝撃で腰を落としてしまった!
「京極しねや!! しね!! 死ね!! 死っねえ!!」
ガン!!ガン!! ガン!! ガン!! ガン!!
アタシに体重乗ったストッピング(踏みつけ蹴り)が!!
体育座りで両手をクロスしてガードしてるけど!
さすがにやばい……
≪🔵≫≪🔵≫
蹴られながらも!
敵の動きを視察したアタシはニタ~~っと笑った…
コイツ、蹴り方が下手すぎんわ…
場数が違うんだよ。
デカ女が右足を上げたタイミングで…
アタシは体育座りの両足を…
背中の壁も利用して、敵の左足へ全力で伸ばす!!
「あっ?」
デカ女は支える軸足が無くなり、当然、前に倒れてくる…
アタシは右のコブシを!!
「うおおおお!!」
ボゴ!!!
デカ女の前歯を破壊して! コブシが口の中に入った。
「おごっおごっ」
口の中にコブシが入ったままで苦しそうだな? だけどよ…
「オメエ……アタシに喧嘩売った以上、これで終わりじゃねえぞ?」
「おええおええ?」
さらに左手を口の隙間に入れて、
上下に思いっきり、
ガン!!!
「!!! がああぁぁああ…ぁぁ」
ガン!!!
ガン!!!
開きまくって
「ツバ、きたねえな」
デカ女の服で両手を拭いた後で、
顔の潰れたサツを見ると、腰に警棒…?
「借りるな?」
10秒後…
数発、デカ女の頭をぶん殴ったら動かなくなった、
「あ? 死んじまったか?」
レゲエ女は…
驚いた眼で、警棒を持ったアタシを見てる。
アタシは血の付いた警棒をポイ捨てした後に、知らない間に『卍』スカジャンの下がっていたファスナーを上げて、
「心配すんな、売られたケンカ買っただけだ。 ケンカ売って来ねえ限りアンタには何もしねえ」
「そりゃ良かった…… 正直、アンタとはケンカしたくねえわ」
「名前は?」
「山田マリア」
「歳は?」
「16歳、聖クリに通ってるけど、今朝クスリでパクられた」
「あんた学校の先輩かよ? アタシは京極茜、夜露死苦」
「ああ、夜露死苦」
直後、
《 京極が暴れた!! 警官が負傷している!! 》
《 応援を!! 》
またぞろぞろとチャカ構えたサツが来やがった…
《 鬼ヶ原が死んでる!? 京極ぅぅ! お前という女は…! 》
《 警官2人を暴行してぇぇ 新入りの未成年もさっそく殺したのか! 》
また複数に、うつ伏せに押し倒されて、手を後ろにされ手錠を!!
「ちがう!! サツには手出してないし!! デカ女は正当防衛!!」
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