87話 四国乱闘ファイナル
バチ…バチバチ…バチッ…バチ⚡
「うおおおおお!!!」
電池切れかけのスタンガンを振り上げ一葉に走る赤銅! 一葉は両手に持つ電流スパナを『円』の動きにして!
― 武術太極拳 円の動 電流搭載 ―
弾かれて舞うスタンガン!
スタンガンは壊れた!
ヨミは虚ろな目で…
「一葉は強い… 小学の時、武術太極拳の神童と呼ばれちょった… 勝てる訳ない…え!?」
一葉は、完全に赤銅を舐めていた…
圧倒的な実力差だから…
円の動の最中に、目にした光景は…
自らに向けられ引かれたスリングショット(パチンコ)…
一葉は驚き!
『どこに隠してっ!?』
「胸の間」
シュッ パン
赤銅の放ったパチンコ玉が一葉のアタマに当たった…
聖クリの鬼頭妹👹を倒した秘密ドーグ『スリングショット』…
後ろへ吹き飛び倒れた一葉…
倒れた一葉は額を触る… 血の付いた手を見て、
『痛っ』
赤銅は…
「殺す」
次のスリングショットを引き…
「体は防刀チョッキだったな? 全部、頭部に行くわ」
パン
『いってええ!!』
頭を押さえながら赤銅に背を向けて逃げる一葉に、赤銅は…
「殺す」
後頭部へ…
パン
パン
パン
パン
ヨミは撃たれながら逃げる一葉を見て…
「一葉が赤銅に負ける? 一葉が死ぬ? もうえいよ…ウチも一緒に死んじゃるき… いっしょにタツキに謝りに行こ…」
フラフラのヨミは歩き… オッサンの車の中から自分のリュックサックを取り出し、折られて壊された水鉄砲のマガジンを抜いて握り、ガソリンをピューと頭からかけて…
「あとは火や… 火は…和也に借りるか…」
フラフラで軽トラに歩く…
≪起きろーー!! きょうごくーーー!!!≫
≪◌≫≪◌≫
≪このままじゃヨミも自殺するぞ!!≫
≪◌≫≪◌≫
≪なんか違うだろ!? 京極なら何かしてくれるはずだ!!≫
≪◌≫≪◌≫
≪赤銅を人殺しにさせていいのか―!?≫
≪🔵≫≪🔵≫
ピシッっと京極の手が心臓マッサージする手を掴んだ…
「オッサン…ありがとう…」
≪よかったぁ… 生き返ってくれた…≫
鉄警棒を掴んだ『卍』スカジャンは立ち上がり…
先ず京極は、軽トラに近づいていたヨミに歩み寄り…
「え!? 京極!? 生き返ったが!?」
ガチン!!
ヨミの頭を鉄警棒でフルスイング横殴りした!
一撃で意識が吹っ飛び、ストンっと崩れたガソリンまみれのヨミ…
京極は、ヨミの手から落ちた、まだガソリンの残っているマガジンを拾い…
「勝手に死なせねえ… オメエを殺すのは一葉をぶっ殺した後の約束だ… 後で火をつけてやるよ…」
次に軽トラに歩き、鉄警棒で、
ガシャン!!
軽トラの和也が座る運転席の窓をぶち壊し!
「ひっっ!」
京極は怯える和也を無表情に見つめて、
「和也オメエ… 赤銅をレイプしたな?」
「してません!! この顔を見てください!! 何もしなかったからスパナで殴られたんです!」
「オメエは、一葉を殺した後で確実に殺す…」
「ひいい!」
「絶対に逃げるなよ…」
――――――四国乱闘ファイナル――――――――
一葉は夜空を見て倒れている…
視界に、引かれたスリングショットが見えた。
スリングショットは近づき、右の眼球の直前に…
一葉はスリングショットに焦点を合わせて…
『やめて…やめてっちゃ…』
「死ね」
シュ パン
放った先に京極の手があった…
横の京極の顔を見た赤銅は、
「京極!? 生き返ったのか!?」
放たれたパチンコ玉を握った左手からは血がこぼれる…
一葉の顔に京極の血が落ちる…
握った手を開き、ポトンと一葉の顔にパチンコ玉を落とし、
「赤銅どけ…」
「え?」
「アタシと一葉とのタイマンは、まだ終わってねえ…」
「京極? なに言ってんだ?」
京極は赤銅にガンを飛ばし…
「アタシと一葉の殺し合いのタイマンはまだ終ってねえと言ってんだ… コイツはアタシがぶっ殺す…」
赤銅は京極から背を向けて、
「分かったよ…京極… 絶対に勝てよ…」
京極は一葉を見下ろし…
「立て、一葉…」
『ああ… 礼は言わんで…』
立ち上がる…
腰のポシェットをパンと叩くと…
二刀流の青白く光る電流スパナが発動…
血で真っ赤な顔で京極へガンを飛ばし、
『ハァハァ… 京極ぅぅ… ワタシを罰してみろ…』
京極は潰れた右手に持つ、鉄警棒を伸ばす。
「オメエは楽に殺さねえ…」
先に動いたのは京極…
一葉は両手に持つ電流スパナを『円』の動きにして!
― 武術太極拳 円の動 電流搭載 ―
一葉は京極の鉄警棒を逸らさせた!
京極の後ろを取った一葉は!
『死ねえええ!!!』
両手の電流スパナを京極の両肩に振り落とす!
≪🔵≫≪🔵≫
ガシン!!
『背後から電流や!! もう成すすべ無しや!!』
ボサッた長い金髪の京極の顔は一葉へ振り向く…
『な?』
「全身にぶっかけてるのを気づかなかったのか?」
『この匂いはガソリン? ヨミの?
京極は振り向きざまに!
一葉の右スネに鉄警棒を!
グシャ!!
『だあぁぁ! 折れたぁあ!』
後は地獄……
一葉への罰……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます