概要
昔はホウキだったらしいんですけど
ある朝カーテンを開けたら、見知らぬ女の子がベランダで掃除機を抱えてた。掃除機で「空の悪意」を吸い取るバイトと言うけれど、お給料が出てないってどういうこと? 使命感を胸に空を飛ぶ高校生ちゃんと、空は飛べない「あたし」の話。
(第三回こむら川小説大賞参加作品)
(第三回こむら川小説大賞参加作品)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!登場人物たちの、まるで手を伸ばせば触れられそうなこの存在感
掃除機に乗って空を翔ける高校生と、たまたまそれを保護する羽目になってしまった女性のお話。
ライトな雰囲気でありながらも、しっかり印象に残る現代ファンタジーです。場面は主人公の生活するマンションに固定、登場人物も二名のみと、構成要素はかなりミニマムでありながら(あるいは、だからこそ)、でもしっかりとした分厚さのようなものを感じさせる作品。
冒頭のインパクトと、その状況を引き起こした設定の奇抜さで引っ張る作品のようでいて、実は登場人物の不思議な存在感にこそ魅力のある、堅牢かつ堅実な物語でした。描かれるべき魅力がちゃんとしている感じ。
登場人物が好きです。特に『高校生ちゃん』の造形というか…続きを読む