性格が正反対の少女たちの友情の行方は……。青春の一幕を描いた名作短編

物語は主人公、藤咲風香が女子高時代の思い出を振り返るところから始まります。
彼女は「一番楽なクラブ」という理由で美術部に入るのですが、そこで黒谷姫という少女と出会います。
黒と赤の絵の具を叩きつけるように画用紙にぶつける彼女は、不機嫌そうで攻撃的にすら見えたのですが……。

主人公の風香は周りに合わせて上手くやっていくことに長けた、適当な性格をした少女として描かれています。
そんな彼女は人間関係についても、クラスメイトと仲良くやっているように見えて本当は興味がなく冷めているところがあるのですが、そんな彼女が黒谷姫と出会うことで「友達とはなんなのか」を知っていく物語です。

キャラクターも血が通っていて、自然で軽快なやり取りも読んでいて心地よく、短い青春ドラマを見た後のようなさわやかな読後感がありました。

一読の価値があると思います。

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