舞台は明治時代の奥羽のとある鉱山。鉱業を運営する工部省の鉱山分局に「金を持ってこなければ祭りを妨害する」という脅迫状が届きます。それを耳にした蕎麦屋の若者、木崎聡吉は犯人を捜そうとするのですが……。当時の鉱山や生活の様子が精緻に描写されていて、その時代の空気感が伝わってきます。独特な雰囲気が魅力のミステリ風時代小説です。明治時代に興味がある方は一読してみてはいかがでしょう。