毎日でも時々でも。平凡なハッピーをもたらした、二人の出会いこそラッキー

主人公の『適当女』こと風香は、周りに合わせるのは上手いけど、実は他人にとことん興味がない。
一方の『性悪女』こと黒姫は、父親が殺人犯だったせいで平凡とは程遠い、後ろ暗い人生を送っていた。
そんな二人の『平凡な』友情を描いたお話です。

テンポの良い会話の応酬が心地よいです。
風香と黒姫の関係性はもちろんのこと、その周囲を取り巻く人間関係がとてもリアルでした。

物語中では何か劇的な事件が起きるわけではなく、淡々と日常が過ぎていく。
ちょっとした行き違いで黒姫との関係が途切れかけた末の卒業式、日々適当に過ごしていた風香の心の揺れ動きにカタルシスがありました。

『平凡な人生』も、全然悪くない。
ありきたりな幸せだって、あたりまえにあるものじゃない。
卒業後、『平凡』になってしまった黒姫の人生に、胸の奥がじんわり温まりました。

毎日食べてもハッピー、ときどき食べてもハッピー。
そんなキャッチコピーの入った『ラッキーチョコ』というお菓子が、まさに二人の友人関係を象徴するアイテムでした。
すごく好きなお話です!

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