Ｇo Ｏd Ｃh ＥmＩs Ｔr Ｙ

　サイコパスの詐欺師が、境界知能で神経発達症の母を毒牙にかけたとき、化学反応を起こした二人は最高の共犯者になった。
　事実は小説より奇なり。
　犯罪被害者は、あなたの隣で淡々と日常を生きているかもしれません。

　母のライフワークは他人に騙されることだ。
　齢八十を過ぎた今も、鴨葱であり続けるためだけに生きている。
　母には“無知の知”がない。
　だが、誰からも馬鹿にされ、また、それをひどく嫌うので、大ぼらを吹いて対抗する癖がついた。
　馬鹿にされたくなければ向学すればいいのだが、母の注意散漫や境界知能は“覚えること”を妨げた。
　怠惰ではなく“覚えたくても覚えられない”のだ。
　母は、それを面倒だと負けおしんだ。
　無意識に向学を捨てた。
　助言や忠言をくれる“常識人”を気が合わないと遠ざ…続きを読む