現代の社会問題を貫く短編

 愛とはなにか。性とはなにか。今時、結婚とは子作りを目的としなければならないのか。

 この短編は現代の社会に浮かび上がった、人として根本的な問題を切実に挑んでいる。しかし説教しているわけではない。まさにその逆。ただ一人の主人公に視点を起き、彼のストーリーをそのまま面白く語っている。起承転結も忘れていない。

 また文章的にも非常にしっかりしている。作者さんは書き慣れているのだろう。さっくりと、抵抗なく読める。その点でもお勧めだ。

 現代の構築された社会に疑問を感じている方にぜひ読んでもらいたい作品。

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