今作で取り上げられているのは何らかの原因で生殖不能である人や、LGBTQなどの人であるが、この物語は、そういった存在を広く知らしめることに見事成功したエンターテインメントだと思う。
私自身には、そういった人々を攻撃する考えもないし、無関心であるとも思っていなかったのだが、それでもこの物語を読んでしっかりと啓蒙されてしまった気分である。
会社の企画という形で進んでいくのが良かったのかもしれない。多くの人が身近に考えることができる思考のフローを踏まえている。
自身もいつか、こんな風に社会に訴えかけるようなテーマで、けれど枷になるようなヘビィさのない小説を書けるようになりたいと思った。文句なしの星3である。