にいづましょうぎ──将棋盤の中心で愛を叫ぶ──

作者 すだチ

68

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★★★ Excellent!!!

こちらの作品は、将棋を通して描かれる人間ドラマが魅力の作品です。
園部夫婦は誰から見てもラブラブな睦まじい夫婦なのですが、ある日夫の修司が将棋道場に通い始め、香織のことを見てくれなってしまいます。「将棋」というゲームに負けてしまったと落ち込む香織ですが、逆に自分が将棋を学べば夫の愛を取り戻せるのでは!?と自身も将棋道場に通うことに。

将棋がメインテーマとなっておりますが、将棋のルールがわからなくても大丈夫。盤面での熱い戦いはもちろんのこと、その戦いに賭ける思いや人物同士のやり取りが丁寧に描かれており、将棋小説と言うより、将棋を通した人間ドラマと言う印象の作品です。
夫婦、兄弟、親子。それぞれ大切な人の為を思って臨む熱い戦い。テンポの良い文章と、将棋の大会というハラハラドキドキさせるストーリーラインがそれを魅力的に引き立てています。
見所は主人公の香織の心情描写。彼の力になりたいと思うその気持ちが香織をどんどん強くしていきます。修司さん大好き!が全面に出ているところがなんとも可愛らしく、時折挟まれる夫婦のラブラブなやり取りは見ていてついニヤニヤしてしまいます。

大事な人を思いながら読んでほしい、そんな素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

『にいづましょうぎ』は「将棋」と「夫婦の仲」を修復するという、斬新なニッチを掴んだ面白い良作。すぐさま物語にのめり込んでしまい、さっと四章の終わりまで読了した。

この作品の最大の魅力はワイワイとした楽しい登場人物たち。主人公の香織と夫の修司はラブラブで、それだけでも読む価値があるのだが、二人を取り巻く将棋仲間も面白い。初心者と握手するチャンスなんてもう二度とないだろうから手を洗わないと言う毒舌家から、対戦相手がまともな将棋を指せなくなるほど魅了する適役。個性的な人物が続々と登場する。

文章も軽くとても読みやすい。初心者の一人称のお陰で、将棋を知らない僕でも簡単に読み進めることができた。だから将棋ファンからルールをちょっと知っている人まで万人にお勧めできる作品だと思う。作中に局面の挿絵を入れて解説してくれるので、その点でも読者に優しく、作者さんの将棋に対しての愛を感じる。

★★★ Excellent!!!

将棋モノというよりは、将棋を中心に繰り広げられる人間ドラマです。主に新婚夫婦のラブストーリーといった感じです。
まず将棋が実に魅力的に書かれています。私は将棋はほとんど知らないのですが、思わずやってみたくなりました。登場人物達のうねるような想いや願いが、将棋盤に収束していくかのような描写は見事です。これはバトル物です。熱いですよ!
あと主人公の心情描写が鮮やかです。入りやすく、共感しやすく、そして力強く引っ張られる。とても楽しく読めます。
何より文章がめちゃくちゃ上手い。独特のリズムがあって、グングン読めるんです。文章の勉強までさせていただきました。
とにかく凄い作品です。将棋に興味のない人も、ぜひ読んでみてください!