才能を感じ取れる作品

 面白い。ああ、この作品は面白い。

 なにが面白いと言えば、まず設定が巧みだ。ブラコンや治療法がない病に侵されたヒロインが登場する作品は沢山ある。しかし『兄の罪と妹の命の蝋燭』は冒頭から設定を細かに活かし、複雑かつ切ない人間関係を作り上げている。

 巧みさはまだ続く。本当の面白みはそれからの展開だ。ネタバレは控えるが、五分で読める作品にこれだけの想いを描けるのかと驚いてしまう。最後も上手く全ての糸をまとめ上げている。

 だから才能を感じ、次作も読みたくなる。

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