1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
心中でもしてしまうのではないか? とタイトルから想像した。
このあらすじから何かを想像するのはとても難しい。
2 物語は(どのように始まっていくのか?)
ある二人の少女についてから始まっていく。同じ名前で、呼び方の違う二人。今までずっと一緒に居たのに、変化が訪れる。そして二人が選んだ道とは?
3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。
・名前が似ているせいか、狂気のようなものを感じる。
・好きの先というのは、依存なのだろうか? と思った。
・名前に対しての呼び名が面白いなと感じた。(被っているのが一文字だけなので)
・何があったのか、明確には分からないが互いが互いを必要としていることが伝わって来る。
4 作品の感想
抽象的な所が多いので正直、分からない部分が多い。感想欄などを読むと他に人にはわかるように見受けられる。分かる範囲での感想となるが、愛とは狂気なのだろうか? と思った。何個かキーワードが出ており、主人公は”相手と離れる意味”にあるのではないかと思った。今まで何をするにも一緒であり、互いに好意を感じている。そしてあることをきっかけに相手に対し、自分に頼ることを提示する。
離れることで”相手が不幸にならないようにする”という心情はどういったものかだろうか。これは想像でしかないが、立場の逆転なのだろうかと思った。
今まで依存していたのが自分。このターニングポイントから逆転する。そういう意味なのだろうか? と。とすると、相手は自分から離れられなくなる。それを意図せず、してしまったということなのだろうか?
相手をダメにしてしまうというのは、どんな関係においてもあることだ。愛とは難しいものだなと感じた。
5 物語のその先を想像して
二人は望んだ形を手に入れたのではないだろうか?
それはある意味ハッピーエンドだと言える。
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。
我々を取り巻く世界と、我々が求めることが一致しないために言葉は生まれた、と一度聞いたことがある。「腹が減った。狩りに行こう」と伝えるためには言葉がいる。逆に全てが満たされていれば、なにも言う必要はない。だから言葉の根源とは辛さなのではないだろうか。
心に響く文章とはなんだろう? 僕は切実な文章だと思っている。元から人という生き物は嘘をつくのが下手で、文章を拙く脚色しようとすると白けてしまう。しかしそもそも脚色する必要はないのだ。僕たちは嘘をつくのは下手でも同情するのはうまい。だから書き手が己の魂を晒し、切実に書いた文章が読み手の心を動かす。
『二粒の錠剤』は切実な辛さを描いている。書かなければならないから書いたという力強い動機が感じられる。それこそが芸術の原型なのではないだろうか。
しかし辛さを描いているといっても、物語のトーンが暗いわけではない。いや、この作品の色は暖かい。そして、暗闇を明るく照らし出しているというよりは、暗闇自体を美しく語っているような気がする。
また構成的にも面白く、考えさせられるところがある。ネタバレになってしまうのでこれ以上は書かないが、読み返して新たな発見があったと思った読者がいるのではないだろうか。