兄の罪と妹の命の蝋燭

作者 にゃんこマスター

84

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Good!

バッドエンドになる要素をいくつも持ちながらも、最終的にはじんわりと温かなハッピーエンドに落ち着く。ホラーテイストを持ちつつも、後味の良い作品でした。

物語の設定、構成はとてもシンプルですが、それ故に無駄がなく主題がしっかりと伝わってきます。
兄妹間の恋慕を、悲しい部分もありつつも前向きな方向性に着地させ、とても未来を感じさせる作品でした。

★★★ Excellent!!!

絶対にバッドエンドにしかならない要素がてんこ盛りなのに、最後の結末が良い意味でどんでん返しです!
無理やりこじつけハッピーエンドではなく、納得のある理由でのハッピーエンドなのも素晴らしいですね(*^^*)

ホラーのドキドキも、幸せな読了感もいっぺんに味わえます!

素敵な物語をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

 面白い。ああ、この作品は面白い。

 なにが面白いと言えば、まず設定が巧みだ。ブラコンや治療法がない病に侵されたヒロインが登場する作品は沢山ある。しかし『兄の罪と妹の命の蝋燭』は冒頭から設定を細かに活かし、複雑かつ切ない人間関係を作り上げている。

 巧みさはまだ続く。本当の面白みはそれからの展開だ。ネタバレは控えるが、五分で読める作品にこれだけの想いを描けるのかと驚いてしまう。最後も上手く全ての糸をまとめ上げている。

 だから才能を感じ、次作も読みたくなる。

★★★ Excellent!!!


病弱な妹の寿命を延ばすために、兄は忘れられた旧神と契約をかわす。
行われる蝋燭の儀式と、破られてしまう禁忌。
そして下された「死より重い」ペナルティ。

はい、どこからどう見てもバッドエンドです。本当にありがとうございました。
モチーフとなった伝承からして悲劇的結末なのですから、何人もその運命には逆らいようがないでしょう。
いやー、残念。我々は主人公の破滅を噛みしめながら物語を教訓として…おや?

そう、この作品はそこからが本番なのでした。タグに燦然と輝くハッピーエンドの文字が並々ならぬ作者さまの自信を物語っています。驚いたことに、この話は「決められた破滅の未来」を「主人公ではなく」作者さまが「運命をねじまげる剛腕」でもって塗り替える娯楽作品なのです! 

いったいこのドン底からいかなるハッピーエンドが貴方を待ち構えているのか?
ちゃんと筋が通っており納得できるオチなのが実に見事です。
怒涛の逆転劇を楽しみたい貴方へ、おススメです!