セックスというワンダーランドを巡る

人間、誰しもセックスに興味があるもの。他人のセックスを見たいという欲望も込みで。しかしセックスは隠されます。

もし、セックスにまつわるトラブルに保険金が下りるとしたら? 人は、金の魔力に負け、汚点を自ら語り出しはしないでしょうか。

セックスにまつわるトラブルを扱う保険会社。この設定が天才的です。舞台装置ができたことにより、他人のセックスが明るみに出るのです。

そうして見えた世界は、まるで曼荼羅。

人間のセックスは、なせば死んでしまう鮭のセックスとは違います。これからも生きる二人のコミュニケーション手段でもあります。セックスの裏にはピッタリと人間関係が張り付いています。

二人の秘め事。独りぼっちの哀しさ。そして舞台装置が生み出した、他人のセックスに第三者が介入することの是非。

この小説は、数々の事例を見ながら、セックスというワンダーランドを巡ります。

読んだ人は、自らの性の立ち位置を見つめ直すでしょう。

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