「音を作る」というプロセスの葛藤が、ここに詰まっている!

「ライブで再現するには文字通り手が足りない」

このフレーズが実は、DXの波がここにも訪れているのか、という意外な今のバンドシーンの現実を、絶妙に捉えている。
(そしてそんな無茶なリズムトラックを渡される、ドラムスの悲鳴も聴こえてくる^^;)

DXは、確実にバンドシーンにも浸透していて、そのリアルを、文字通り「リズミカル」な筆者の文調で描かれた秀作。

陽の当たる場所、いわゆるライブシーンを全面に押し出す作品が多い中で、この作品は、その土台となる「音作り」のフェイズにあえてフォーカスしている。
(でいいっすよね?+−さん。)

メンバーとの感性の相違、発想の行き詰まり、批判、否定、違和感、反発。。。
音楽をやる、これの本当の苦悩はここにあって、そこで起こる行き違いの悲しさが、この中にほぼほぼ全部、詰まっている。

もし、リアルなバンド系の作品を描きたいのなら、専門用語も多く、音楽経験者以外には難解な部分もあるかも知れないけれど、頑張ってググって、そのリアルを捉えられれば、絶対に糧になる。

リアルなバンド系の作品に取り掛かろうとされている方、これはホントに、マジで、必読です。