第8話「ゴブリンの角☆」
「おい
「何黙ってんだよ」
「角付」
「こっち向けよ」
「……」
ルナと友達になったゴブリン君が橋の上、
「ゴブリン君どうしたの?」
「あっ……」
河童が偶然その集団と出くわし声をかけました、ゴブリン君は自分の置かれた状況が恥ずかしくて何も言えませんでした。
「はっ? なんだお前? 河童の癖にゴブリンに口出しすんのか?」
ととうを組んだゴブリンは調子にのって厄介で横柄な生き物です。
「いや別に口出しなんて……」
河童はビビった自分が嫌になりました、ゴブリン君がからかわれているのに口を出さないと言ってしまったのです。
「……」
ゴブリン君はそんな河童を見ない様にしています。
「そうだよな河童~~お前には関係無いもんな~~(笑)」
「俺ら角付に話してるんださっさと行けよ」
「よかったな河童見逃して貰えて」
「……ゴブリン君」
「……」
河童は水掻きを握りしめました。
「お前らやめろ、ゴブリン君嫌がってるじゃないか!」
河童は声を上げゴブリン君は顔を上げました。
「なんだお前文句あんのか?!」
ゴクリ……
河童は息をのみ少し失敗したと思いました、ゴブリン達の空気が変わりその場が緊張感に包まれます。
「あっ河童~~ゴブリ~~ン♪♪」
みんなが一点を見つめます、そうです妖怪バット女のご登場です、今日のルナは白いフレアスカートに薄紫のボレロ、ボレロの胸にはハンドメイドの月のアクセサリーが付いていました。
「ルナ、また夜にお散歩かい?」
河童がルナに声をかけます、河童はバット片手に散歩するルナに何故だかすこしほっとした気分になりました。
「おい河童、いえ河童さん」
「は?」
河童はゴブリンが突然丁寧な言葉遣いになったことに驚きます。
「あの、このお方とはどのようなご関係で?」
ゴブリンは腰を落とし怯えたようすで話しました。
「え? あの~~~~、友達だけど……」
河童はにっこり笑うルナを見て、そう答えるのが正解だと悟りました。
「そうですか、これはこれは存じ上げす申し訳ございません」
「さあみなさん、もう夜もふこうございます、おうちに帰りましょうか?」
「ええ、そうですね」
「ええ、そうですとも」
ゴブリン達はなんだかんだ言いながらその場を立ち去って行きました。
「ルナ……君どんだけ恐がられているの?」
河童はゴブリン君にかける言葉が見つかりませんでした。
「何あったん河童?」
ルナは話を聞きました。
◆◇◆◇
「あらお帰りなさい
ゴブリン君の家は至っては普通の建て売り住宅でした、角の生えた赤色の肌の美人の女性がリビングからの顔を出しお帰りの挨拶をします。
「誰?」
「かーちゃん……」
ルナはゴブリン君こと健太君に質問し健太君は答えます。
「あの、ゴブリン君、僕おいとまするよ」
河童は建て売り住宅に緊張して帰ろうとしています。
「あら可愛い、お人形さんみたい」
お母さんは息子が連れてきた女の子に興味津々です。
「かーちゃんいいから、俺ら話があるから」
ゴブリン君は角の生えた美人のお母さんの背中を押してリビングへと仕込みます。
「上がれよ……」
ゴブリン君は恥ずかしそうに言い2階にある自分の部屋に案内してくれました、ゴブリン感など欠片もない男の子の部屋でした。
◆◇◆◇
「俺とーちゃんがゴブリンでかーちゃんが日本種の鬼なんだ……」
「国際結婚なん?」
ルナが聞きます。
「まあな……」
ゴブリン君は頬をかきながら照れ臭そうに答えました。
「ほら河童、合ってんじゃん」
ルナが節分の時にゴブリンを鬼と言い張って豆をぶつけた話を蒸し返します。
「えーーー、でもあの時はゴブリンと鬼との混血って知らなかったし、鬼と言うにはゴブリン感が強すぎるっていうか……」
河童はルナが節分におこなったバイオレンス極まりない行動を肯定したくありませんでした。
「でもなんで鬼なのにゴブリンにいじめられてたの?」
ルナはオブラートに包んでからかわれると表現力してきた事を台無しにしました。
「ルナ、ゴブリン君もいろいろ考える所があるんだから……
河童がルナの正直すぎる語り口をいさめているとゴブリン君の顔がみるみる青くなっていきました。
「どういう事かな健太」
おそらく部屋の前で聞き耳を立てていた、お菓子とジュースを持った鬼のお母様が殺戮者の様な目で
「かーちゃんダメ!!」
ゴブリン君のお母様はゴブリン君の言う事も聞かず服を引くゴブリン君を引きずりながらベッドルームに在った
あわあわあわあわあわおわあわあわあわあわあわあわあわわあわあわ……………
河童は何も出来ず「あわあわ」言っています。
「健太をいじめるやからはお母さんが
「落ち着け
ルナは躊躇せず鬼母の頭にバットをめり込ましました。
「かああちゃゃあああああああんーーーーーーーーーー!!!!」
ゴブリン君の当然の叫びです。
「ルナは大人の妖怪にも手加減なしなんだね……」
河童はルナの強さに引きました。
「いい鬼母、暴力は良くないわ!」
「……」
「……」
「……」
3人はお前には言われたくないと思いました。
「でも……ルナ様」
河童は鬼母の負けたので家臣になるルールに違和感を覚えましたが疲れていたのでスルーしました。
「安心して鬼母、ゴブリン君はアタシが守り鍛え上げるから!」
ルナの目が変な輝きを見せているのに河童は嫌な予感しかしませんでした。
「ありがとうございますルナ様、健太も主君の為に頑張るのですよ」
「はあ……」
お母さんの横に共に正座してルナの話を聞くゴブリン君は河童以上にお疲れのご様子でした。
「これで作者が間違ってゴブリンに角付けちゃった事へのつじつま合わせが付いたね☆」
「ああ、今回そう言う話だったんだね……」
河童は作者の行き当たりばったりの製作姿勢に嫌気がさしたいう……。
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