第7話「節分の鬼を倒せ☆」

 今日のルナはピンクの詰襟つめえり軍服の上着に白のスケカンのあるレタススカート、ベルトにはピンクのエアガンの入った白いホルスターがおさまり足元は白のメインカラーとピンクの靴ヒモがワンポイントに効いているミリタリーブーツを履いていた。


「いたよ河童、ゴブリンだ」


 それは緑の体のルナより小さなゴブリンだった、ひたいには小さなつのが2本生えていた。


「ルナやめようよ、ゴブリン君が可愛そうだよ……」


 ゴブリンと言えば西洋ファンタジーに欠かせないモンスターだがここ最近の国際かもあって、こんな日本の田舎でも見かけるようになっていた。


「なに言ってるの河童、アタシゴブリンの友達欲しかったんだ」


 ルナは半分より少し大きな月明かりの茂みにひそみみ使いなれた得物、金属バットでゴブリンを狙っていた、モンスターはよく夜に活動する


 ゴクリ……


 ボクもこうやって狙われていたのか……


 隣にはその緑の体がちょうどいい迷彩色となっている河童が腹ばいになって中腰のルナを見上げている。


「喰らえゴブリーーーーン!!!!」


 ルナのバットエンドスラッシュ(水平打ち)がゴブリンの側頭部にメガヒットする。



 グウェポッッ!!



 ゴブリンは首の骨をゴキリとやってスピンしながら宙を舞った、もちろん頭蓋骨はしています☆



 アワアワアワアワアワアワアワアワ!!



 河童が水掻き付の指をクチバシ噛みながら震えている。


「河童、とりあえずワークスペースへ運ぶわ☆」


 ルナはゴブリンの両足を抱えて引きずりながら倉へと運んだ、河童はそのさも恐ろしい光景を黙って見ているしか無かった。

((((;゜Д゜)))



◇◆◇◆


「河童、軟膏とって」


ルナは倉に戻るとガラス棚の上に乗っかってる救急箱を指差す。


「これかいルナ?」


 救急箱にはごくありふれた塗り薬が入っていた、チューブの裏面には擦り傷火傷(軽度なもの)等との説明が書かれている。


「ありがと河童♪」


 ルナはチューブからヌルリと軟膏を手のひらに押し出すとそれをゴブリンのカンボツした側頭部とダランとした首の骨の辺りに塗った。


「イテテテ……」


「え? 嘘? ????」


 河童の目の前でその緑の体が青くなっていたゴブリンの体がみるみる? な緑色に戻っていったのだ。


「良し河童これ持ってゴブリンに投げて☆」


「は????????????」


 ゴブリンは自分に何が起こったのかも解らないまま倉の中をキョロキョロしていた。



「鬼はーーーーーーーーーー外!!!!」


「いっっっっって!!!!」


「福はーーーーーーーーーー内!!!!」


「ルナ?!?!?!?!」


「鬼はーーーーーーーーーー外!!!!」


「いて! 何だこれ!」


「福はーーーーーーーーーー内!!!!」


「え? 豆? 豆投げてるのルナ??」


「鬼はーーーーーーーーーー外!!!!」


「いたい! 何だ?! やめろ!!」


「福はーーーーーーーーーー内!!!!」


「ルナ? その人ゴブリン! 節分の鬼じゃないよ!!」


「なに言ってるの河童! 角生えてるのはみんな鬼なんだよ❤️」


「❤️(ハート)の意味が解んないよルナ」


「鬼はーーーーーーーーーー外!!!!」


「いって! やっば! 頭おかしなとこ来ちまったぜ!!」


「福はーーーーーーーーーー……



 アワアワアワアワアワアワアワアワ……



 河童は節分の夜にトラウマが出来ました。



◇◆◇◆



 ルナは用意した豆(河童の分まで)全て投げ終わると言いました。


「あんた、アタシが倒したから友達だよ☆」


「はあっ!! ふざけん……


 ルナの後ろには血の付いた金属バットが立て掛けてありました。


 河童は震えながら首を横に振ります。


 …………


 ゴブリンは少し青ざめました。


「ああ、友達、友達だ……」


 節分の夜、ルナに新しい小鬼ゴブリンの友達が出来ました。



 良かったね、ルナ☆





☆追記☆

このあと3人(1人と2匹?)はお婆ちゃんが作ってくれていた恵方巻きを食べました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る