第6話「お婆と大晦日☆」

「ありがとな月子つきこ


「良いよおばあ、全然平気」


 月子は母屋のおコタで祖母の背を擦っていた。


「それ着てくれたんか?」


「うんお婆サンタのプレゼント」


 月子はクリスマスに貰った白黒牛のキグルミパジャマを着ていた。


「これ来年の干支か?」


「そうよお婆ちゃん熊猫パンダと悩んどけど縁起担いだんよ♪」


「クリスマスプレゼントなのに干支って♪」


「変かね~月子?」


「変じゃねーよおばあ♪」


 月子は背をせっせと擦ります。


「楽になったかお婆」


「ああ月子、月子に擦って貰うとお婆ちゃんとっても楽になるよ」


「愛情がこもっているからなだな、お婆♪」


「そうね、月子は優しいだものね♪」


 月子の祖母はゼンソク持ちでしたが何故か月子が祖母の背を擦るとそれが収まるので月子は毎日の様に祖母の背を擦っていました、勿論大晦日の夜お蕎麦を食べたあともです。


「すまないね月子、おばちゃん月子に背中擦って貰わんと咳が止まらんくなるから……」


「気にすんなお婆前は友達おらんかったけど今は1人おるから♪」


 月子は何時も学校が終わると家に走って帰るので友達が出来ませんでした。


「月子、修学旅行だけど……」


「行かんけど?」


「…………そうかい」


「気にすんなお婆」


 月子はあまり家から離れません、あまり離れると祖母の発作が心配だからです。


「お婆来年も良い年になれば良いな」


「……そうだね月子」



◇◆◇◆



 あっ、因みに月子はルナの本名ですよ。

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