星灯りで旅する旅人たちと、彼らと出会う人たちの物語

太陽と月が砕け、星もなくなった暗闇の世界の話です。
時間によって色が変わる星油ランタン、真っ暗な闇を行く旅人、交換屋、「暗闇」の存在等、この世界を形作っているものがどれも素敵で、不思議で、個人的にときめき成分が盛りだくさんでした。
なかなか出会ったことのない設定だったこともあり、旅する彼らや出会う人たちの話を聞いていると、不思議な感覚に陥りました。
他のお話の名前を出すと失礼かもと思ったのですが……個人的な感覚としては、はじめのエピソードは『星の王子さま』の中で王子が語った彼が旅してきた星の人たちの話を聞いているような。隣に座って聞いているようなそんな感覚でした。
この物語では、エピを通して聞いているような感覚で。
ですが、エピソードが進むにつれ、道連れが増えるにつれ、だんだんそれが、より身近に降りてきて、話を聞いているというよりは、一緒に旅させてもらっているような気持ちに変わってきたり。町が見えると嬉しくなったり。
また話し手が変わって、また違う景色や感情を見せてもらえたり。
そんな気分が味わえて、とても贅沢なお話だなぁーと思います。

(もう何を言っているやらで申し訳ない感想になってきましたが……!)

暗闇の世界の話ですが、描かれる灯りが、やわらかく、とても美しく映りました。
これからの道行きも楽しみです。

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