運命に翻弄されつつ謎解きに挑む少女。真相はどこに

ある日を境に、神が選んだという聖女「神妃」になってしまったフィルメラルナ。

薬草屋を営む父と暮らす平凡な娘だったはずのに、いきなり聖なる存在に担ぎ上げられて。しかも前の神妃は不可解な失踪を遂げている。

神妃の務めをこなしつつ、フィルメラルナは絡まった蔦をほぐすように謎を解き明かそうとするのですが……。

アイデンティティの危機に戸惑いつつもそれを受け入れようとするヒロインの心がとてもリアルに伝わりました。蒼白い月の光を背景に彼女が運命に立ち向かう姿は神秘的。

失われた記憶、隠されたメッセージ。ミステリ好きならわくわくする仕掛けが読者の心を掴んで離さない、謎解き要素たっぷりの恋愛ファンタジーです。

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