神妃という存在に、全てが振り回されていく

神王国ロードス。そこには神妃と呼ばれる存在がいました。
神妃とは、神の分身としてこの世に遣わされた少女であり、世界に安定をもたらす存在。それが亡くなると、世に生まれてくる赤子の中から次の神妃が誕生し、それを国と教会が保護する。それが、遥か昔から続けられてきた。
というのが、本作開始時の世界観。しかし始まって早々、これが崩れてしまうのです。

物語の主人公フィルメラルナは、十七歳の町娘。前述の神妃とは、何の関わりもない人生を送ってきました。しかしある時、彼女の額に神妃の証である紋章が現れたことにより、その人生は一変。捕らえられ、告げられたのは、先代の神妃が失踪したこと。そして、自らが新たな神妃になったという事実でした。
神妃の失踪というのはもちろん、十七歳にして神妃になるというのも前代未聞。この事態に多くの者が戸惑うのですが、もちろん一番戸惑っているのは、神妃となったフィルメラルナ本人です。

神から遣わされた存在なんて聞くと、どれ程素晴らしいものだろうと思うかもしれません。しかし先代の神妃は、その権力を使い、非道な行いを数多く行っていたとのこと。

そしてフィルメラルナは神妃となったことで普通の町娘としての自由をなくしたばかりか、どういうわけか、見知っていたはずの人々から、彼女の記憶が消えていきます。それはまるで、フィルメラルナという一人の人間が、神妃という超常の存在に乗っ取られていくかのようでもありました。
神妃とは何なのか。それに翻弄される人々はどうなってしまうのでしょうか。
そして全ての真実が明らかになった時、最後に残るのは何なのでしょう?

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