始まりと終わりは赤い本と共に。

平凡だった男が呪われ、望まぬ不死となる。
その彼が長い旅路の行く末までに刻まれた足跡のひとつひとつが此処にある。

ひとつの揺るぎない目的があったればこそ、長い生で人の心を保てるのであろう。
人であったが故に、過ぎ去りゆく時の彼方で、出会い、触れ合った人々に一雫を残す。
出会った彼等、彼女等との係わりが、繋がりとなり、絆が結ばれる。
それが赤い本に綴られた物語。

彼の旅路がどの様に終わりを遂げたのかは些細なことだろう。
只の人として、人のまま時を渡り歩き、人として繋がり、人として選んだもの。
それこそが、最も大切なことであったと語られる旅の記録である。

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