人工精霊《タルパ》は踊る

作者 黒一黒

50

17人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★ Very Good!!

登場から衝撃的、且つ圧倒的。
枠から外れた世界で少しだけ残った善意と悪意。
それすらも塵芥と等しく彼女の前には無意味。
正に世界は自分を中心に回っていると言っても良い主人公。
理知的な暴虐と加虐に善悪はなく意志のみが存在する。
目的のためならば只々それを振るうのみではないだろうか。
異能バトルではあるが、その異能が霞むほど主人公の異質さが際立っている。

エドガー・アラン・ポーの短編小説の様に狂気と正気の狭間にある美しさ。
それが、このお話の世界観とどこか似通っている様に感じる。

★★★ Excellent!!!

 〇〇無双……。先の様なテンプレが幅を利かせて幾星霜、多くの作品が生まれ落ち、光を放つ事無く消えて行ったに違いない……。しかし、数ある無双テンプレの中でも一際異彩威光を放とうとしている作品がある。それが今作だ。

 舞台は異能力者が集められた孤島の学園。そこに謎の転校生が現れ……と言うお馴染みの展開。但しその後は、ジンをストレートで無理矢理流し込まれるようなハードな展開が待っている。

 勿論ハードな展開ばかりではなく、友情・恋愛と言った分かり易い学園物の定番も完備されており、ライトな展開を好む諸兄も楽しめるはずだ。

 特徴的なのは展開の苛烈さだけではない。仏教思想をベースに据えた凝った設定に、読者の脳裏は白檀の香りを聞くことだろう。

 昨今巷を席巻している無双系作品には、設定に描写が追い付いていない残念なモノも多々ある様だ。しかし今作品はその様な心配は御無用。

 時に淡々とし、時に凄惨を極める巧みな描写は、読者諸兄をステキな地獄巡り誘ってくれる。


 本作品はまだ物語の序盤であり、今の所はまだブラッディサムだが、ギムレット、ツイスト、ホワイトレディ、ブルームーン。最終的にどのようなカクテルが完成するのかは今もって判らない。スプリングオペラやピュアラブの可能性だってあるのだ。


 今作の往きつく先が何処になるのか、マスター(作者)のシェイクを眺めながら予想してみるのもオツなモノだろう。


 果たして今作のラストワードは……。



*今作品を『無双モノ』として紹介していますが、ストーリー序盤の個人的な印象によるものです。この先のストーリー展開によって変動する場合があります。ご了承下さい。