空を嫌う人たち

作者 Aiinegruth

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★★★ Excellent!!!

まだ読了しておりませんが、レビューを書かせていただきました。
重厚にして精緻な作り込まれた世界観に、度肝を抜かれました。言葉一つ一つが美しく、ディストピアを感じさせる世界を彩っています。

SF小説が好きな方、書かれている方には是非、読んでいただきたいと思います。これだけの世界観と丁寧な描写、心より尊敬致します。

続きを楽しみに読ませていただきます。

★★★ Excellent!!!

ーー桜の木の下に屍体が埋まっているなら、雨上がりの空には魂が昇っていく。そして、人は死ねば星になるーー

溶岩帯を丸ごと飲み込んだ『地界オルダ』にある都市。桜の木など存在し得ない劣悪な環境で育った主人公アコウギは、子供の頃、祖母のその言葉を捻くれた思いで聞いていました。

空に希望を持ち、空を目指し、そして手が届かず、絶望のうちに地界へ帰ることとなったアコウギ。彼は、空に対して強い憎悪を抱くようになっていました。そんなある日、空から旧人類『空神様』の少女が落ちてきて……。

非常に緻密に練り込まれた設定だけでも舌を巻くところですが、さらにそれを映像作品のような鮮やかさで表現する描写力、語彙力に度肝を抜かれます。作者様の知識の多さ、筆力の高さに、ひたすら脱帽します。

余りに美しい情景に心を奪われ、神々しささえ感じられます。このネットの波の中で、ここまで荘厳なSF作品に、私はまだ出会ったことがありません。

気軽に読み飛ばしながら読めるような小説ではないからこそ、一語一句を大切に読んだ後の深い感動は、言葉に出来ないほど大きいです。時間をかけて読む価値が絶対にあります。

心に残る小説を探している方にお勧めしたいです。

★★★ Excellent!!!

SFっていうのはどこか退廃的な感じがすると思っている私個人ですが。
この作品は、ロードムービーのような爽快さを持っていると感じます。
序盤から繰り広げられる大騒動から主人公たちの旅は始まります。
それは過酷ながらも、出会う人々の温かさを感じさせてくれます。
あと私が注目したいのはワードチョイスのセンスの良さです。
「英知は空にある」作中の重要ワードですが、これだけでも十二分に惹き込まれると思いませんか?
これだけではありません、少年心を擽るようなギミック。歴史好きがニヤリとしそうな展開。これでもかと詰め込まれた設定に、唸る事間違い無しです。
進めば進むほど明らかになる謎にワクワクする事間違いなしです。
これは間違いなく新たなSFの一陣の風になってくれると信じています。
ぜひお読みください。

★★★ Excellent!!!

近未来、というよりは現代の延長線上にありながら、全く別の形に生まれ変わった世界のお話です。

そのため、日本などの言葉はありながら、ほぼいちから世界観の設定や人種が練られています。

劇中では、それらの要素が余すことなく用語や描写として出てくるのですが、読みながら頭が圧迫されることはありませんでした。

理由は、オリジナル用語の多くが常用漢字で構成され、ルビがしっかりと振られているからです。

詳しい説明は後に語られ、意味は漢字を見ることで何となく理解することが出来ます。
ルビが最初だけでなく継続的に振られているので、音としても頭に入ってきて覚えやすかったです。

これにより、世界観を丁寧に描きながらも、ストーリーやキャラクターの心理描写は着実に進んでいる。

主人公アコウギの自分でも気がつかなった本質が徐々に紐解かれてき、知らずうちに愛しく思えてきました。

またまだ続くそうなので、物語の行くつく先や謎が解き明かされていくのが楽しみです!

★★★ Excellent!!!

 『独特な世界観』『作り込まれた設定』SF作品の感想としてまず出てくる言葉ですが、それで終わらせるにはあまりに勿体ない。
 主人公の嫌う空は、たくさんの意味を内包していますが、そのどれもが言い訳や八つ当たりの様なものに感じられます。言い訳にしてきたから、強く意識してしまう。八つ当たりしていたから、空以外がよく見えていない。そんな際に空から少女が降ってくる。それは主人公にとっては空そのものが降ってくるような衝撃で……。空が目の前に現れ、逃げ場を失った主人公の心境の変化が丁寧に描写されています。
 ただのSF、ただのボーイ・ミーツ・ガールに終わらない表現力を是非体感して欲しい。そう思わせてくれる作品です。