妥協のない緻密な世界観
- ★★★ Excellent!!!
近未来、というよりは現代の延長線上にありながら、全く別の形に生まれ変わった世界のお話です。
そのため、日本などの言葉はありながら、ほぼいちから世界観の設定や人種が練られています。
劇中では、それらの要素が余すことなく用語や描写として出てくるのですが、読みながら頭が圧迫されることはありませんでした。
理由は、オリジナル用語の多くが常用漢字で構成され、ルビがしっかりと振られているからです。
詳しい説明は後に語られ、意味は漢字を見ることで何となく理解することが出来ます。
ルビが最初だけでなく継続的に振られているので、音としても頭に入ってきて覚えやすかったです。
これにより、世界観を丁寧に描きながらも、ストーリーやキャラクターの心理描写は着実に進んでいる。
主人公アコウギの自分でも気がつかなった本質が徐々に紐解かれてき、知らずうちに愛しく思えてきました。
またまだ続くそうなので、物語の行くつく先や謎が解き明かされていくのが楽しみです!