心躍る空の旅路! SFの英知は此処にある。

このSFに勝てるやついる!? 正直な感想はこれです。巧妙で圧倒的な描写力と、緻密なのに最高にぶっ飛んでいる設定には、やみつきになりました。



物語の舞台は、六〇〇年後の世界。現人類と呼ばれる主人公たちは、七メートルの身長を有し――

「な、七メートルぅ!?」

服状翼と呼ばれる翼を持ち――

「は、はいぃ!?」

――飛びます。



そう、飛んでます。ぶっ飛んでます! 設定が! しかし、これは全て作者様の中で計算された伏線でしかない。彼らは一体何者なのか? 崩壊した後の世界に生きる彼らの正体とは? …………彼らの真の正体に辿り着いた時、空が嫌いになりました。

そして何より、女性陣が最高です。ハッキリ言って二人に罵られたい! それでいて、思わず和んでしまうような、とても愛して已まないキャラクターたちです。他にも、SFとして外せない第三次世界大戦の位置付けや、高い教養によって繰り出される文章の数々……作品としての底が見えないのも非常に魅力的なところです。


13万字で紡がれる空を巡る旅路。空が落ちてくる。そんな感覚に襲われる作品でした。

映像化したら、冗談抜きでどうなるんだ???

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