新訳 浦島太郎

A子
「今回紹介する小説は、SF小説 しん 浦島太郎、だ!」
Bくん
「浦島太郎って、あの昔話の?」
A子
「そう、それをSF風にアレンジした小説なんだ。
 物語は、地球から遠いリューグ星という場所に住むヒメが、地球を別荘にするために調査しにいくというところから始まる。
 そして、サンプルとして、人間を一人捕獲してようとするんだ」
Bくん
「うわ〜、めちゃくちゃSFじゃないですか。かなり、アレンジしてるじゃないですか」
A子
「と思うでしょ? けど、これが不思議なことに、ストーリー自体は浦島太郎とほぼ一緒なんだ。
 浦島太郎が亀を助けて、竜宮城に行くのは一緒。
 さらにその後、帰ってくるのも一緒」
Bくん
「え、それって逆に新訳になってるんですか?」
A子
「この作品はね、浦島太郎という話をガラッと変えるのではなく、浦島太郎の少し気になる部分を補間してくれるんだ。
 例えば、何故「浦島太郎は歳を取らなくてはいけなかったのか」とかね」
Bくん
「あー、確かにあの辺りって今読み返すと謎ですよね。乙姫、が何考えてるか分かんないっていうか」
A子
「そう。本家は浦島太郎側視点だが、こちらは竜宮城からの視点となっている。
 だから、もともとの話も、もしかしてこういうことだったんじゃないか?
 と思える、新訳になっている」
Bくん
「それはちょっと気になりますね」
A子
「だろ? SF色は強いけど、文体や会話はコミカルで読みやすいから、気軽に読んでみな!」
Bくん
「はーい、読んでみまーす」

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