概要
俺は、「人間」になる
「人間って、何だろう?」
十六歳の少年ウツロは、山奥の隠れ里でそんなことばかり考えていた。
彼は親に捨てられ、同じ境遇・年齢の少年アクタとともに、殺し屋・似嵐鏡月(にがらし きょうげつ)の手で育てられ、厳しくも楽しい日々を送っていた。
しかしある夜、謎の凶賊たちが里を襲い、似嵐鏡月とアクタは身を呈してウツロを逃がす。
だが彼は、この世とあの世の境に咲くという異界の支配者・魔王桜(まおうざくら)に出会い、「アルトラ」と呼ばれる異能力を植えつけられてしまう。
目を覚ましたウツロは、とある洋館風アパートの一室で、四人の少年少女と出会う。
心やさしい真田龍子(さなだ りょうこ)、気の強い星川雅(ほしかわ みやび)、気性の荒い南柾樹(みなみ まさき)、そして龍子の実弟で考え癖のある真田虎太
十六歳の少年ウツロは、山奥の隠れ里でそんなことばかり考えていた。
彼は親に捨てられ、同じ境遇・年齢の少年アクタとともに、殺し屋・似嵐鏡月(にがらし きょうげつ)の手で育てられ、厳しくも楽しい日々を送っていた。
しかしある夜、謎の凶賊たちが里を襲い、似嵐鏡月とアクタは身を呈してウツロを逃がす。
だが彼は、この世とあの世の境に咲くという異界の支配者・魔王桜(まおうざくら)に出会い、「アルトラ」と呼ばれる異能力を植えつけられてしまう。
目を覚ましたウツロは、とある洋館風アパートの一室で、四人の少年少女と出会う。
心やさしい真田龍子(さなだ りょうこ)、気の強い星川雅(ほしかわ みやび)、気性の荒い南柾樹(みなみ まさき)、そして龍子の実弟で考え癖のある真田虎太
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『人間とは…』作者の哲学と名言が織りなす、至極のファンタジー!
まず、この作品……だだごとでは無い!
ネタバレを含みたく無いので、抽象的な表現となりますが、
人間という生き物の持つ『業』や『情』
その複雑で複数の感情を、まるで絹糸の様に紡いでゆくストーリー。
そして、その美しい糸は読者の心を締め付け、また、優しく包んでもくれます。
作中の表現と描写は、時に深い沼の様に、またある時は夏の青空の様に…
もう名言だらけで、その美しい旋律に鳥肌が立ってしまうことは間違いないでしょう。
序盤から面白いのはもちろんのこと、中盤以降のブーストのヤバさは、名作と呼ばれる作品に起こる症状そのものです!
私がカクヨムで読んだ現代ファンタジーの中で、間違いなく一番…続きを読む - ★★★ Excellent!!!己を毒虫だと思い込む少年が、人間とは何かを考える。思索と哲学の深き世界
「人間って、何だろう?」
物語は十六歳とおぼしき少年の問い掛けから始まります。
十六歳とおぼしき……その理由は、彼の正確な生年月日が不明だから。
少年は古今東西の哲学者の思想を借りて学び思索します。
自分を『毒虫』だと思い、何をもって『人間』と言えるのか、思索しています。
そんな彼と同じ境遇に居る少年は、彼の思索癖を宥めながらも想いを共有しているかのようです。
この世とあの世の境に咲くという幻の桜『魔王桜』を前に、毒虫に成りたいと願った少年が『アルトラ』と呼ばれる種を植え付けられ、異能力に目覚めていきます。その過程で出逢った少年少女たちと心を通わせ、心の枷を外し、欠落を乗り越えて生きて行…続きを読む