※読み合い企画からのレビューです
第1章まで読了
世界を混乱に陥れた「巨大樹」により東京は廃墟となり、最低限の生活を送ることとなった人々
そんな絶望的な状況で、主人公は再生能力を得て、異界生物ゼノとの戦いに身を投じることとなる──というあらすじの本作品
魅力はと言えば、リアルな危機感、そして緊張感がまず挙げられるだろう
人が容易に死んでいく生々しい描写は、ゼノがそれだけ危険であり、存在そのものが絶望である事実を引き立てる
そして、再生能力を得たとは言え、それ以外は普通の人間である主人公の臆病さが、かえって作品のリアリティを増している
また、シリアスとユーモアのバランスも絶妙であり、「これ以上やるとくどい」というギリギリでシリアスに戻るため、主軸の物語の邪魔をしていない
全体的にクオリティの高い作品だが、かなりの長編のため、まずは第1章を読んで合うか合わないかを確かめてみてはいかがだろう
面白いです
現代の東京を舞台に、異世界の巨大樹が出現し、そこから発生した化け物との戦いを描いたSFファンタジーです。主人公のトガショウは、巨大樹によって引き起こされた災害の後、ボランティア活動に参加しますが、そこで不可解な事件に巻き込まれていきます。
物語は緊迫感のある展開で進み、引き込む力がありました。特に、トガと仲間たちが化け物と遭遇するシーンは、恐怖心がリアルに描かれていて印象的でした。また、トガがザブと呼ばれる能力者になったことで、新たな展開を予感させる終わり方も良かったと思います。
SF要素とファンタジー要素がバランスよく組み合わされた、エンターテイメント性の高い作品だと感じました。先の展開が楽しみな小説です。