概要
ならば、僕は君を救い、君を愛そう。
養護施設出身の青年「相羽」は、その出生故に他人の葬式に出席することに、喜びを覚えるという歪みを抱えていた。
そんな彼はとある葬式で、同じく養護施設出身の少女「井熊 友」と出会う。
彼と彼女の間にある因縁を取り巻く人間ドラマ。
ハッピーエンド保証付。
そんな彼はとある葬式で、同じく養護施設出身の少女「井熊 友」と出会う。
彼と彼女の間にある因縁を取り巻く人間ドラマ。
ハッピーエンド保証付。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!斎場は出会いの場所
この言葉は、亡くなった祖母の弟から教えてもらった言葉です。
葬式は生きる儀式と言いますが、この儀式を通じて私たちは縁をえることもあります。
この小説「死人に口なし」は身内の言葉を証明する作品でもあります。
主人公の出生は不遇です。その後関わった人間によって多少人間らしくありますが、不遇の積み重ねによってねじり曲がった性格はそう易々と戻るものではありません。
その証拠に、彼は良い趣味を持っています。斎場巡り。
見も知らぬ人の斎場をめぐってその人の人となりを知る。この設定は「なるほど」と膝を打ち、また、主人公のひねくれ曲がった性格をより強固にしてくれます。
しかしながら、主人公は一つの葬式…続きを読む - ★★★ Excellent!!!歪んだ彼の本当の望みとは……?
あらすじ、プロローグ、本文、エピローグと連続していながら、それぞれで違った顔を見せてくれる作品です。
主人公は出自の関係で異常な偏執があるサイコパスかと思えば、いつの間にか感情移入をしてしまうほどの人間らしさを持っています。
たった三話、一万五千字と侮るなかれ。
彼の等身大のキャラクター性を巧みな表現で短編というボリュームの中に纏め上げる技量には舌を巻きました。
もちろん、彼以外の人物にもそれぞれのドラマがあり、それが複雑に絡み合う事で物語の深みがグッと増している気もします。
この作品を読み終えて、思わず唸りました。
読み応えのある心理描写を短時間でどっぷりと味わってみたい方、是非…続きを読む