歪んだ彼の本当の望みとは……?


あらすじ、プロローグ、本文、エピローグと連続していながら、それぞれで違った顔を見せてくれる作品です。

主人公は出自の関係で異常な偏執があるサイコパスかと思えば、いつの間にか感情移入をしてしまうほどの人間らしさを持っています。

たった三話、一万五千字と侮るなかれ。
彼の等身大のキャラクター性を巧みな表現で短編というボリュームの中に纏め上げる技量には舌を巻きました。

もちろん、彼以外の人物にもそれぞれのドラマがあり、それが複雑に絡み合う事で物語の深みがグッと増している気もします。

この作品を読み終えて、思わず唸りました。
読み応えのある心理描写を短時間でどっぷりと味わってみたい方、是非ご一読してみてください。

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