このお話は児童文学です。
児童文学とは、子供が楽しめるお話です。ですが子供だけの物ではありません。
大人のためのものでもあります。
ハリー・ポッターシリーズは、図書館では児童図書のコーナーにあります。
つまりはそういうことです。
児童文学とは、子供騙しではないのです。
すべての人が、その素敵な物語に騙されて夢中になってしまう、最高のエンターテイメントなのです。
主人公のことはは小学生です。小学生なのですが、ちょっと信じられないくらいの過酷な運命を背負わされてしまいます。
でも、明るく前向きです。そしてとても正しい。正しくあろうとする女の子です。
そして、そんなことはを愛する周りの人たちは、どこまでも、優しく暖かい。
ことはが、何故こんなにも、正しく良い子に育ったのか、とてもとても説得力がある描写です。
素晴らしいです。
繰り返しとなりますが、児童文学とは、子供騙しではないのです。
最も読者が多いエンターテイメントということです。
すばらしいです。本当にすばらしいです。
本当に素晴らしくて私は今、このレビューを泣きながら書いています。
作者様には、ただただ感謝しかありません。ありがとうございます。
願わくば、図書館に置いて欲しい作品です。
あ、死神じゃ無い普通の方でお願いいたします。
主人公は小学六年生である普通の女の子、花咲ことは。
彼女の母親は“し書”をしていたが、三年前のある日、突如姿を消してしまう。
まだ幼い彼女にとって、それは非常にショックな出来事だっただろう。
しかし、彼女の十二歳の誕生日。
家のポストに、失踪したはずの彼女の母から一通の封筒が届く。
その中身は白紙の便箋と、一つの謎の古びた鍵だった……。
というエピローグから始まる、この物語。
司書ではなく、人間の一生を記録した死書を扱う死神のような仕事を、僅か十二歳の女の子が務めることになるという時点で、「だいじょうぶ?」と思わず心配したくなるような設定だ。
だが心配することは無い。
この女の子は小さな身体にある大きな勇気と、大人顔負けの正義感を以って立派に死書官を務めることだろう。
さぁ、彼女と一緒に死書をひらこう。
探しモノはきっと、その本の中にあるのだから。