【短編】処刑から始まる私の物語

　前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームについて思い出していた。そのゲームと今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送るならば、今度は１５年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。

　そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれども、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。

　最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、生まれ育った国から逃げることにしたのだった。