To the World

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 ファインダーの中の世界が次第に明るくなっていく。一面の芝生が濡れて、先端が鮮やかな色を取り戻す。そしてその向こう、画面の真ん中に、完全な左右対称のロイヤル・アルバート・ホールを収める。


 時々頬に当たる水滴は、冷たくて柔らかい。


 濃く厚く立ち込めた雲の層。その中の一部が白みだし、ゆっくりと分かれはじめた。


 ファインダーに目を当てたまま、カメラの絞りを開き、露出を動かす。


 雲の間に明るい水色が顔を覗かせた。その色はどんどん広がり、逆に灰色が左右に引いて……




 カシャッ




 白金に輝く雲から、雨露を冠した芝生の上へと降りる七色の橋。

 私の手の中で、その一瞬が永遠になった。



 The end, but her journey is still ongoing.

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空に走る 蜜柑桜 @Mican-Sakura

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